3/19 火曜午前クラス:グラフィック・ノベル
この日のGさんのブックトークは、Graphic Novel について。後日、メールでブックトークを再現していただいたので紹介します。
“Himawari House” by Harmony Becker
これはGraphic Novel(グラフィック・ノベル)というジャンルの本です。日本ではマンガ以外の何物でもありませんが、アメリカでは幼い子供たちが読むマンガをComic Bookと言い、ティーンエイジャー以上が読むマンガをGraphic Novelと呼んでいるようです。今回、(講座の)本棚にたまたま “Graphic Novels” というサインを目にしたことと、そこにあったものすごく東洋人っぽい表紙のイラストに興味をそそられて手にした一冊です。
物語は3人の女の子が、東京のHimawari Houseというシェアハウスで出会い、日本語学校に通い、アルバイトをしたり恋に悩んだり、友情を育みながら少しずつ成長していく1年間の話です。日本にルーツのあるアメリカ在住のNao、韓国の大学を辞めて日本に来たHyejung、シンガポールから来たTina。3人の会話は主に英語ですが、HyejungとTinaの英語は、Konglish(韓国語英語)とSinglish(シンガポール英語)で書かれています。例えば、韓国語英語は “You hab’ prend.” (=You have a friend.)、シンガポール英語は “Don’t let it bodder you lah.” (=Don’t let it bother you. ~lahは文末に付くSinglish特有の音)などです。日本語学校の先生は、 “Ifu you don’ know, zat’s okay. Zis jas’ to decide class leberu.” と言っていました。その他に日本語、韓国語も入り混じっているので、純粋な英語の本としては非常に読みにくいのですが、それが多文化共生社会をリアルに描いている印象を強く受けました。
これを読んでいるとき、ふと吉田秋生の漫画『海街diary』が頭をよぎりました。世界観が似ていると思います。2022年にはアメリカのKirkus Prizeも受賞しています。なんでもない日常を切り取ったようなストーリーがお好きな人におススメします。
漫画の並びの棚にGraphic Novel と手書きで書かれたサインがあります。興味のある方は、ぜひ手に取ってみてください。
(火曜午前クラス担当 大滝)