780_多読亭日乗

The New Yorker誌のブログ The Book Bench から

John Dunning という作家の 邦訳「死の蔵書」は本の本といっていいでしょう。
推理小説としてはどうだったかまったく覚えていませんが、設定がとてもよかった。

探偵が、元警官の、古本屋さんなのです!

そして、その古本屋さんがほかの古本屋さんを巡って、貴重なのに安い値を
つけられている本を探し出す。いかにも本好きの喜びそうな「本の探偵」なわけです。

で、今回の記事はまさにそれを職業としている book scouts と呼ばれている
人たちの話!

読むのは苦労かもしれませんが、フォーラムの【本の本】に興味を持つ人なら、
ちょっとがんばって読む価値があるかもしれません。

わたしも book scout を職業にしようかなあ・・・ もし暇があったら?
ちなみに先ほどのJohn Dunning の本は5冊くらい出ているのかな?
どんどんつまらなくなります。結局わたしは腐れ縁のように全部読んでいますが・・・

 

流されたいのに、それさえ叶わぬ人々

3月11日が近づいてどうしても思い出すことがあります。
(そしてそれが「流される、流されない」に関係があるのです。)

きっとみなさんもあの日の行動は何もかも、細かいところまで覚えていることでしょう。
わたしも時間をおって説明できるくらいはっきり覚えています。

わたしはあの日午後2時46分には大学の6階の研究室にいました。
退職のために片付けをしていたのだったと思いますが、突然揺れが来て、
それほどひどい揺れとは感じませんでしたが、時間が長かった。

それからしばらくは事態の深刻さがわかっていませんでした。
時々余震が来て大きく揺れる中、6階の事務室でテレビを観て、
少しずつ状況のenormityが分かってきましたが、それでもまだ深刻さの程度は
わかっていなかった・・・ 京王線が運転を見合わせているということがわかった
時も、わたしは車だからいいや、という程度の反応しかしませんでした。

だからでしょうか、わたしは大学の同僚二人を車で新宿まで送ることを申し出ました。
4時半か5時だったと思います。一人は和光市、一人は日本橋に自宅がありました。
甲州街道はさすがに調布付近でも渋滞が始まっていたので、
せまい裏道を何度も何度も曲がりながら新宿方面へ近づいていきました。

ところが新宿まで半道というあたりで、ラジオで新宿駅へ行っても電車がまったく
動いていないことを知ります。和光市まで送ることにして、環状8号線に出て、

(7号線だったか?)

北上。かなりの渋滞ではあるものの、なんとか3時間で和光市のお宅に届け、
そこからもう一人の同僚を自宅まで届けるために、日本橋へ向けて池袋へ向けて
出発。

そこからは都心に近づくにつれてひどい渋滞になっていきました。
最初は普段の渋滞のひどい程度。次に5分間で50メートルくらい前進、
次に5分間で5メートルくらい、最後はお茶の水駅付近で5分間に2,3メートル。

ここで、地下鉄が一部運転を再開したことを知って、同僚は車を降りて
地下鉄の駅へ・・・ この時深夜12時頃だったでしょうか。

わたしはすでに立川の自宅に帰ることはあきらめて、四ツ谷の日本語多読研究会の
事務所に電話して、泊めてもらうことにしました。研究会のメンバーは仕事で
集まっていて帰れなくなり、全員泊まっていました。

そこからがまた大変・・・・

お茶の水駅と四ツ谷駅をほぼ直線で結ぶ外堀通りの混み方と言ったら・・・
何分で何メートルか考える気力もなくしました。ただ、いらいらするだけ。
なんとかこの渋滞を抜け出せないものか・・・

一度も行ったことのない都心の一般道路を、曲がりなりにも和光市から
お茶の水までたどれたのは、アンドロイドのタブレットPCがあったからでした。
そのPCにかなり素朴なナビゲーション・ソフトが入っていて、それによると
お茶の水駅から四ツ谷駅の最短ルートは外堀通りなのです。

そこで、ナビゲーション・ソフトの指示を無視して、わたしは車を外堀通りと
交差する道路へと向かわせました。決して裏道というような狭い道路では
ありません。ところが・・・

なんとそこから先はがらがらでした。ほとんど車は通りません。
わたしは迷いに迷いながらですが、外堀通りを何度か縫うように横切りながら、
目的の四ツ谷駅近くまで30分ほどで到着しました。
それは深夜1時過ぎだったと思います。
朝方起きて、改めて立川へと向かったのでした。

さて、ここからが「流される人々」の話です。

おそらく外堀通りを隙間なく埋め尽くしていた車、車、車は、ナビゲーション・
システムに従っていたのでしょう。ナビ・システムを信じ切って、
ほかに道があることなど思いも寄らなかったか、
あるいは滔々たるナビ・ルートの流れを外れることが怖かったのでしょう。

あの羊たちの群れは、わたしには試験や資格や学歴に囚われて、
なんとか流れに乗りたい、流れから外れまいとするたくさんの人と同じに見えます。

そんなものからひょいと外れれば、行きたいところまでさっと行けるルートが
あるのに・・・

もちろんさっと行かなくてもいいのですよ。ゆっくり景色を楽しみ、途中下車を
堪能しながら行ってもよいのです。

一方、流されたくてお定まりのルートに群がった人たちは、まったく流れなかった・・・

わたしが3月11日のことで一番よく覚えているのは外堀通りの混み方と、
がらがらの脇道の、あまりにくっきりした対照です。

The New Yorker誌のブログ The Book Bench から

今回の記事 In the News からは二つの記事に注目!

一つ目は上から4つ目のリンク。
Roald Dahl の Matilda がロンドンでミュージカルになっていたのですね!
それがまもなくニューヨークに来るという記事です。

4月の終わりから5月にかけてできれば一月くらいヨーロッパを歩きたいと
考えています。(退職祝い?)その時にやっていたら見に行きます。
三鷹ネットワーク大学のNさんも同じ時期にロンドンに行くと言っていて、
郊外の「ロアルド・ダール記念館」というのかどうか知りませんが、
そこに一緒に行こうという約束になっています。ロンドンで落ち合えたら、
ぜひこのミュージカルも一緒に見たいものです。

(モロッコはどう? というお誘いもあるのですが、どうもわたしは
行き先の選び方が軟弱で・・・)

もう一つはリンクの一番下の記事で、以前採り上げた

Readers’ Choice: 20 Beautiful Bookstores from Around the World

という記事(見つからない・・・)の続編です。

20店の中に、できれば行きたいと考えている Hay-on-Wye という古本屋の町に
ある、本屋さんも出てきます。

なんだか、わたしのヨーロッパ旅行を歓迎するようなニュース記事の選択だなあ・・・

お、そうだ!

日本の beautiful bookshops 20選 というのをみなさんと一緒に選びましょうか?

流れに棹さすって・・・?

一つ前の記事「流れに棹さして」は使い方を間違っているというメールが
村の絵師から来ました・・・

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流れに棹さして--試験へ資格へ草木もなびく

草木だけじゃありませんぞ。
なんと文部科学省が先頭に立ってなびいているわけで、
これじゃあ日本中誰も彼もなびくかに見えるのも無理はない。

ずいぶん前に、朝日新聞に文部科学省の意向について記事が載っていて、
ああ、またか、との思い已まず、ネット版をひっくり返してやはり書いておくことに・・・

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The New Yorker誌のブログ The Book Bench から

大脱走プロジェクト(いつか話す時が来ると思いますが、いまは・・・)の余波で、
急遽我が家の本棚を整理せざるを得なくなり、この際捨てる本を抜き出し始めた
折も折、ついぶつぶつ言いながら本を選ぶので、かみさんに嫌がられて、
風呂で原稿を書きはじめてチェックしたブログに本棚の記事が・・・

http://www.newyorker.com/online/blogs/books/2012/02/in-the-news-lively-language-luscious-libraries.html

このリストの一番下のリンク Twenty Gorgeous Libraries をクリックすると
なんともうらやましい空間が・・・

中には My Fair Lady のヒギンズ教授の書斎を思わせる螺旋階段つきの
ギャラリーもいくつか。

ほかにもいくつかのlibrariesはよほど濃い色のサングラスをかければ、
我が家の本棚に似て見えなくもない・・・

The New Yorder誌のブログから

ブログの名前は The Book Bench、記事の名前は In the News です。

で、この記事は USA Today という新聞の記事で、
Scholastic Parent & Child
magazine が選んだ

The 100 ‘Greatest Books for Kids’

ということですが、わたしは相当反論がありますね・・・

Mo Willems さんの絵本が二つ入っていたり、

Captain Underpants が入っていたりと、いいところもありますが、
悪い本ではもちろんないけれど、Charlotte’s Webが、1位?
その上、3位に A Wrinkle in Time というのは首を傾げますね。
(アメリカはまだ冷戦時代の頭なのか?)

ま、みなさん、じっくり眺めて、ご意見、ご感想をお寄せください!

オリーブ・オイルが好きなのに・・・

またしてもThe New Yorker誌のブログからですが、
これを取り上げるのはかなり個人的な好みからです。

うちのかみさんが、ぶひままんさんを真似して牡蠣のオリーブ・オイル漬けを
作りました。これがものすごーく、旨い! もう何度でも舌鼓を打ちたくなるくらい。

わたしはそもそも牡蠣もオリーブも大好きなわけで、オリーブもらっきょうも
目の前にあれば、あるだけ食べてしまう。

なのにこの記事はひどいじゃありませんか。わたしの憧れのオリーブ・オイルを
すっかりくさしている。

で、思ったのですが、信頼できるオリーブ・オイルを安心して使うには、
日本の南半分でもっともっとオリーブを生産してはどうでしょう?

どうせ安心できるオリーブ・オイルを外国から輸入すれば相当値段が高くなるの
でしょうから。

 

The New Yorker 誌のブログから なんともまあ、気取った・・・

The Book Bench の記事 In the News からです。

いちばん下のリンクをクリックしてください。

タイプライター時代からのフォント・ファンには懐かしい字体が、3Dになって蘇ります。

しかもフォントの由来も書いてある。

細い棒の先に刻まれたアルファベットの時代から、

オリベッティのプラスチック製の花火みたいな輪から、

IBMのゴルフボールへ・・・

Courier にはお世話になりました。
Helvetica はやっぱりスイスと関係があったんだ!
そして教育関係のCentury、いまわたしの注目するVerdana。

(1990年代半ばからあったのだそうですが)

本どころか、字そのものを愛する人がいるんですねえ・・・