780_多読亭日乗

The New Yorker 誌のブログから--再読について

「再読した場合も語数に入れていいですか?」--多読相談のQ&Aでは
おそらく五指に入る質問だと思われますが、今回の話題はそちらではなく、
まったく読書としての再読、三読、四読・・・ の話です。

On Rereading という本が出たようで、この記事はその書評です。

http://www.newyorker.com/online/blogs/books/2011/11/are-rereadings-better-readings.html

読みやすくはないので、わたしのアンテナに訴えてきた部分・・・

* Nabokov という「ロリータ」で有名になった小説家は「本は背中で読まなければ意味ない」と言っているとか。背筋に電気が走るような本を読みなさいということのようです。

* Nabokovはまた読書とは繰り返し読むことだと言っているそうです。

* 結局わたしには繰り返し読むことの喜びや危険(こどもの時に読んだ本を大人になって読んだらつまらなかったとか、若い頃の自分が見えてしまうとか)は初めて読む時とおなじように思えました。

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10月のテーマ!

10月のコピー.jpg村のchi-chan画伯から10月のテーマが届きました。息せき切って研究室(もうわたしの研究室ではなく、借りているだけですが)にやってきて、きのうの夜遅くまでがんばったんだから、できるだけ早くアップして!とのお達しです。
例によって、お腹周りの豊かなわたしと、思い切りハロウィーンの格好をしたchi-chanです。大きな画像で見ると迫力ですよ!chi-chan、ありがとう!!

The New Yoker誌のブログ The Book Bench から 若気の至り・・・?

過去というのはどういうものなのか?

・・・

吹く風は年をとっても
僕等には
人が年をとることが
わからない

わたしの友人が大学生の時に書いた「伝説」という詩の最後の一節です。

(なんとなく、初めて読んだときからこの一節はずっと忘れないだろうと
   思いましたが、本当に忘れることはなく、折に触れ思い出していました。)

けれどもさすがにわたしはこの歳になって、「歳をとる」ということが少しはわかって
きたような気がします。

たとえば、

http://www.newyorker.com/online/blogs/books/2011/10/worst-college-essays-1989.html

この記事は記事の筆者が、世界の思想界(?)を席巻したフランスの思想家たちに
「かぶれていた」大学時代(1980年代)を振り返った記事ですが・・・

同じようなことはわたしの大学時代にもありました。
・・・と振り返ることができます、今は。

それは全共闘運動というもので、大学や高校が若者によって閉鎖に追い込まれた
ほどすさまじいものでした。わたしは全共闘運動にも、全共闘と対立していたという
全学連(共産党より?)にも、「体制側」にもつかず、ただなんとなく・・・の生活をして
いましたね。若気の至りとはほど遠かった。

(デモには参加したことがなくて、一度見に行っただけ。
なんと都心のデモだったのに出身高校の後輩の女の子に見つかって、
「酒井さん、見学連ですか?」と声をかけられ、なぜか恥ずかしかった
たのを覚えています。)

もっとも、その後わたしより左にいた人たちがみんなわたしより右に行ってしまって、
ついには大学の教授会での発言から「酒井さんは全共闘だったらしい」と
噂されるようになりました。

(もちろん当時の「ラディカルさ」をそのまま内に秘めて、静かに激しいことを
やっている友だちもいます。)

過去には全共闘運動にも、脱構築の嵐にも参加しなかったわたしですが、
上の引用の最後にあるように、考え方はかなり全共闘運動の影響を受けて
今があるような気がします。

For us undergraduate Derrideans, the writing had the effect of waking us up, putting us on edge. Later, we rediscovered the virtue of a simple sentence, but we were never again as we were.

ただし、わたしは全共闘の自己否定にも、脱構築の難しい文章にも
信を置かなかったのですが。

ちょっとお休み・・・ PC修理中!

またですか! という声が聞こえます。またです。

今回はもう何週間も前からの故障で、しばらく前から電源か、電源からCPUまでの
コンデンサーではないかと疑っていましたが、今朝ついに電源ボックスを開けると、
見事コンデンサーのパンクを発見!

うれしかったなあ・・・

こういうことがあるから、ドシロートなのに自作がやめられない。
先日もクプクプさんに注意されたのですが、つくづくわかっていない人間が
こんなことに手を出すなんて、とは思うものの、うまく動いたときは格別・・・

そうです。夕方新しい電源を買ってきて、時間はかかりましたがなんとか
動くようになりました。

で、次なる問題はどうも音が大きいのです。
とても長い間の作業はできないくらい。
どこがどうなっているのか? おお、この甘き悩み・・・

The Book Bench の In the News から

ひさしぶりに The New Yorker誌のブログからです。

http://www.newyorker.com/online/blogs/books/2011/10/in-the-news-atwood-goes-eco-coetzee-in-texas.html

この記事の上から四つ目を見てください。
Charlaine Harris という女性が graphic novel の trilogy を書くというのですが、
どなたかこの作家を知っていたら、教えてください。

その第1作は Cemetary Girl という題名ですが、Neil Gaiman の
The Graveyard Book を思わせる設定です。
Cemetary Girl の方はparanormal mystery という、
わたしは読んだことのない型の小説のようです。

でも、日本の漫画が起源かもしれない graphic novel でもあるし、
出版されたら買ってみようとは思っていますが・・・

みんなの歌 -- Red River Valley 

時々現れる YouTube の紹介を 「みんなの歌」というタイトルにしているのは、
NHKテレビに半世紀近く前に登場していまだに続いている「みんなの歌」という
番組が大好きだったからです。

で、きょうはその頃からのお気に入りの歌手 Jimmie Roders の歌です。

http://www.youtube.com/watch?v=leSS2zI3HW4&NR=1

Red River Valley というアメリカ民謡は非常にたくさんの人が歌っていますが、
Jimmie Roders 版が、歌い方も歌詞も、一番片思いな感じ・・・
田舎町で評判の娘が都会に出て行くのを遠くから嘆いている・・・?

ついでに告白すると、Red River Valley を最初に聞いたのは

http://www.youtube.com/watch?v=gAujg3PBFRs&feature=related

こちらのバージョンで、Jimmie Roders に比べるととんでもない編曲です。
そして、この編曲に慣れてしまったので、はじめて民謡風の Red River Valley を
聞いたときにはまだるっこくて、聞いていられなかった。

今ではゆっくり静かに、むしろ訥々と、つぶやくように歌う Jimmie Rodgers 版の
方が好きです。

Jimmie Roders はほかにもいくつもYouTubeに見つかります。
アメリカ民謡を聞いてみてください。

光の速度を超える現象? アインシュタインがひっくり返る?

電気通信大学で英語の授業をやるようになってよかったことはいくつもありますが、

その一つは 自然科学関係の啓蒙書を読むようになったこと。

最初は学生たちがおもしろいと思う素材を探したくて、TIME やNewsweek の
科学記事を漁っていたのですが、

((((( 辞書を引いて日本語に訳す授業でした!)))))

そのうちおもしろくなって、分厚い啓蒙書を楽しむまでになりました。
特に興味があるのは、進化のこと、宇宙論、そのつながりで超ひも理論など・・・

で、いつも見ているBBCのtwitterの中にタイトルの記事を見つけて
さっそく行ってみると・・・

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The New Yorker 誌のブログ The Book Bench から

ひさしぶりです。

こんな本があるんですね!

http://www.newyorker.com/online/blogs/books/2011/09/the-smells-of-new-york.html

ニューヨークを鼻で探る・・・ 臭い入り、匂い入り、香り入り。

絵も結構魅力的ですね。
冗談がいっぱいちりばめてありそう。

で、もう一つ。
この本は既成の出版社にことごとく断られて、
370人の応援者を集めて作られたと・・・

村でもそういうことができるといいなと思って、
そのメモとしても記事にすることにしました。