NPO多言語多読のfacebookで多読講座の歩みを毎回報告しています・・・
(facebookの記事は新しい記事で下へ下へと追いやられて、消えてしまう・・・)
・・・が、今回は毎回の報告の範囲を超えていると考えて、こちらでも読んでもらいます。
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まず受講生のKさんがfacebookに投稿した記事です。
Kさんは小学校で教えていたことがあります。
先週借りた英語の絵本の中で、大人も考えさせられるような本がありました。http://www.amazon.co.jp/Sharing-Caring-Generosity-Character-Education/dp/1574718320/ref=sr_1_3?s=english-books&ie=UTF8&qid=1349307184&sr=1-3
一ページ目から
“Be generous with you time”
とあるのですが、Generous? 寛大?時間に寛大??と思いながら読み進めると、その意味がじわじわと伝わってきます。次に
“Take you time to listen each day”
私は毎日誰かのために、時間を割き、じっくり聞いてあげているだろうか・・そんな風に考えさせられました。
以前担任をしていたクラスに、優しくしましょうとか、思いやりを持ちましょう、とよくいってましたが、実は、優しくても、自分のものや順番にこだわりすぎる子が少なくなかったので、「寛大に」とか「固執しないように」という難しい言葉を使わずに伝えるために「気にしないように」とよくつたえていました。でも、しっくりきていなかったのを覚えています。この本さえあれば・・と悔やまれるばかりです。
そしてそれにわたしがつけたコメント。
NPO の多読講座のみなさんは今絵本に浸って、「言葉は白い紙に印刷された黒い活字ではない」ということを実感しているところです。少人数で2時間たっぷり (tadokuしかできない(今は「絵と音」中心))絵本に浸っています。
こういう環境のせいか、みなさん驚くほど本の世界に入っていくようです。Kさんのこの報告はわたしにとっても衝撃的で、「学校英語で覚えた単語」に気持ちが 肉付けされて、深さと広さを増していく瞬間を目撃したような気がしました。
絵本の力はすごい・・・ これはつい最近考えるようになったことですが、母語は いざ知らず、絵本なしで外国語に入っていくことは不可能かもしれません。Kさんの例は、絵本が場合によっては動画や映像にも勝るという(前から薄々感じていた)ことをはっきり意識させてくれました。
次の問題は「どういう場合に絵本が勝るのか、どういう場合に動画や映像が勝るのか?」ということですね。楽 しみに実例を蓄積していきます。みなさんんの報告を待ちます! Kさん、早速の投稿、ありがとう!
ま、もちろん学校英語さえなければ 「generous=寛大な」 という箍はそもそも
なかったのですけれど。
学校英語に浸りきった人の場合は、絵本なしに(加えて動画/映像なしに)英語を
獲得することはあり得ないかもしれません。ペーパーバックばかり読んでいる人の
「多読」がなかなか言葉の浅い理解から抜け出さない例をたくさん見てきました。
その原因の一端がKさんの感想から少し見えてきたような気がします。
言葉の理解が二次元なのですね。つまり紙の上の理解にとどまっている。
どんなにたくさん読んでも、言葉に血が通わず、肉がつかず、骨も生成されない
場合があるようです。
(思えばわたしが「さよなら英文法」で指摘した英語の先生方の誤訳は
紙の上の理解と、それ以上に「そふぃ」さんが指摘した「シャドーイングの
大切さ」を理解していないところから来るのかもしれないと、
Kさんの感想を聞いて思い始めました。)
多読普及のいちばん最初からわたしは「毎日ペーパーバックを読んでいない人は
字のない絵本から」と言ってきました。これは間違いだということのようです。
今の意見では「絵本を読んでいない人は、日常的にペーパーバックを読んでいても、
字のない絵本から」と言い直しましょう。
(映画や実生活や仕事で「三次元、四次元」の外国語に触れている人は
絵本から始めなくてもよいと思われます。)
また、わたしはかつて「Julie」さんに「英語のプロを目指すならになるなら
やさしい本をたっぷり読みなさい」と言ったそうですが、そちらは大きく訂正しなく
てもよさそうですね。
まもなく木曜Skypeおしゃべり会です。今はここまで。
けれどもこれは非常に大事な観点なので、これからも折りに触れ書き続けます。
最後に、Kさんと、子どもたちに読んでもらうためにこのシリーズを日本語にしよう
という話をしたことを付け加えておきます。
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