先日神奈川県高英連(なんの略称か知らない・・・)で多読のお話をしたとき、
例によって「継続は力なりとかコツコツとか、ドリルやトレーニング、スキルとかモチ
ベーションなどと言い出した時点で「続かない」と宣言しているようなもの」と言いました。
すると50人を超える人たちがどっと大笑い・・・?
わたしの前に講演した人のテーマが「生徒のモチベーションを上げるには」だった
そうで・・・
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ま、中にはトレーニングを続けられる人もいるわけで、有名スポーツ選手なんて
いうのはそういう人なのかもしれませんが、そういう情熱はわたしは縁がないので・・・
幸い、tadoku は楽しいから続くもので、続けることを第一の目的にしているわけでは
ありません。学習法はどれも続かなかったけれど多読は続いているという人が
たくさんいるのは、これも多読のパラドックスでしょうが、「続けようとしなかった」から
かもしれません。
今度こそがんばるぞ、なんとか英語のスキルを身につける!
なんて決心すると、体にも心にも力が入って、自然ななめらかな動きや気持ちを
妨げるようです。多読がうまくいった理由の一つは、そんな風に張り切って英語学習
をはじめた人たちが、三原則とやさしい絵本で「どっと脱力」した、からかもしれません。
「さよなら英文法!」の帯には「努力も根性もいらない」と書いてありますが、
あれは買わせようという惹句ではありません。わたしは「いらない」どころか
心身に力がはいってしまうという意味で、努力や根性は害になる可能性さえ
考えています。
同様に「モチベーションを上げよう」などという志向も、害になりそうですね。
モチベーションなんて「継続」とおなじで、楽しければ上げようなどと考える必要も
なくついてくるものでしょう。
多読本のレベルとおなじかな? 上げるものではなくて上がるもの・・・
それを意識してモチベーションを上げよう、上げなきゃ、なんて考えるようでは
そもそもはじめる前から「挫折します」と宣言しているようなものでしょうね。
「やらなきゃ!」という気持ちを高めるよりは「やりたい!」と思える物事を
探す方が「やらなきゃ!」という目的に達しやすいらしい、たくさんの人を見ていると。
うーん・・・ 世の中張り切る人が多すぎる・・・ もっとね、リラックスして・・・ね・・・
おお、そういえば、その先日の横浜の講演ではわたしはNHKの基礎英語は
やめた方がいいという話もしたのですが、(いちいち日本語に訳すし、英文の量が
少ないし、Let’s なんとか! なんて気持ちの悪い合唱があるし)わたしの
次の人の講演は「高校の授業で基礎英語をどう利用するか」という話だったそうです。
モチベーションと基礎英語に挟まれた究極のサンドイッチ状態・・・
多読の運命やいかに?!
おっと、スキルの話はまたいつかにしますね。
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