高度にお勉強な人お二人のことはすでに書きました。そのうちのお一人 I さんが
きょうの「だれでも多読サークル」に参加してくれました。
そして聞かせてもらったひじょーに興味ある話を・・・
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酒井先生
先ほどはご飯をご一緒させていただいて、ありがとうございました。
明後日日本を発たれるまでお忙しいということなので、急いで経過報告をまとめました。
少しでもお役に立てれば幸いです。14日からアゼルバイジャン語のシャドーイングを始めました。
最初は日本語に近い音と英語っぽい音がよく耳に入ってきていましたが、
そのうちにより細かい音まで耳に入ってくるようになりました。
アゼルバイジャン語のシャドーイングをすすめたのは、I さんがひじょーに
お勉強の人だったからです。しかも筋金入りなことに、2倍速のシャドーイングも
こなしてしまったからでした。
これはもうまったく知らないことばをシャドーイングして耳と口を直結するしかないと
劇薬をすすめたのでした。結局それが功を奏して、予想通りの、いや、予想を
超える変化があったようです・・・
アゼルバイジャン語は喉にかかるような音が私には特徴的に思えました。
初めはこの音が全く出せなかったのですが、
音を流しっ放しにして何となく色々音を出していくうちに、
それっぽい音が少し出るようになりました。
始めて3日目でその音がより楽に出せるようになり、楽しさも増えていきました。
意味のわからないシャドーイングを(いろいろな意味で劇薬ですが)楽しめる人は
あまり多くないように思います。I さんの場合はどんな英文を読んでも聞いても
和訳してしまうほどの「お勉強な人」だけに、「意味のわからないシャドーイング」を
楽しめるとは意外でした。
16日に映画“Miss Potter“のシャドーイングをやってみました。
もちろん字幕なしです。
いつもは和訳に走ってしまい、考えながらしか音を出せなかったのですが、
今回は訳すよりも音に集中していました。
和訳をしていなかったので細かい内容は全くわからなかったのですが、
話し手の表情や口調、登場人物の行動から話を推測し、
映像だけで話を追って楽しむことができました。
後半は涙が止まらなくなり、シャドーイングをしようにも声が出ないほどです。
そして音の出し方は、アゼルバイジャン語のシャドーイングをやる前に比べて音の拾い方が大きくなり、特徴的な音だけを発音してそれっぽく言っている状態でした。
↑ このあたり、I さんへの劇薬処方がうまくいったと思われて、とっても
うれしいです! もう一つ、「音の拾い方が大きくなり」という表現・・・
使わせてもらいます!!
そして、18日に2回目のMiss Potterのシャドーイングを行ったのですが、
このときは前回と打って変わり、意味を考えてしまって、うまく波に乗れませんでした。
英語の音が聞こえにくく、音がつかめないのです。
なので、途中でやめて、アゼルバイジャン語のシャドーイングに戻ることにしました。
こちらも音が聞こえにくく、うまく音をつかめなかったのですが、それでもやり続けました。
↑ このあたりも注目です。 Miss Potter の2度目は、何を言っているかわかって
きて、そのために「波に乗れなかった」ようですね。
でも、アゼルバイジャン語のシャドーイングをしばらくやって、お勉強の音が消えて
いったのでしょう。そこで・・・
やっていくうちに何とか感覚がつかめてきたので、TVで再放送しているフルハウスを副音声でシャドーイング。
Miss Potterの時とは違って音が出しやすく、うまく波に乗ることができました。
25日の放送でも同じ様子でしたので、“まぐれ”ではないと思うのですが、
あまりに波がありすぎるのでちょっと自信がありません。非常に気まぐれで、自分のパターンがまだつかめていないのですが、
最近はこんな様子でやっていました。
ありがとうございました!
I さんの報告を夕飯を食べながら聞いて、ちょうど1年前にスワヒリ語シャドーイング
を勧めたことを思い出していました。I さんとよく似ている pot さんがスワヒリ語の
シャドーイングを10時間続けて、英語の聞こえ方が違ってきたという例です。
で、pot さんの例も、I さんの例も、頭の中のカタカナ英語の音、または極端系の音
が、スワヒリ語やアゼルバイジャン語によって壊されて、自然な英語の音が頭
(または心?)の奥に届くようになったことを示しているとも考えられます。
pot さんの記事も読んでください。読むと、I さんとおなじように
スワヒリ語のシャドーイング → 英語の音そのままになる → 慣れてきて
カタカナ英語に戻る → スワヒリ語のシャドーイング → 英語の音そのまま
という繰り返しが起きていることがわかります。
これをわたしは一応「頭の中の日本語英語音を知らないことばが壊した」と
考えたのですが、I さんの体験を聞いて1年前の予想(?)がもっともらしさを
増したように思います。
もしみなさんが自分のシャドーイングはカタカナ英語のようだ、あるいは
極端形の音のようだとお思いなら、↓ のようなやり方で、あるいは
BBC World Service のサイトで、まったく知らないことばをシャドーイング
して、どんな変化があらわれるか、試してみませんか? そして、変化の
あるなしに関わらず、報告をお願いします!
アゼルバイジャン語のpodcastですが、TRT-World.comというサイトで手に入れることができます。
http://www.trtazerbaycan.com/international/news.aspx?dil=az
ページのいちばん上のpodkastをクリックすると番組一覧が出てきて、そこからそれぞれのページに飛ぶと音声をダウンロードすることができます。
私はTurkllugun Ortaq~とAnadolu’nun Her Rengi(ウムラウト省略)の2つの番組を使っています。
そのほか、いろいろな言葉の放送があるので、よろしければ使ってみてください。
内容はたぶんトルコ近辺のニュースだと思いますが、もしマニアックな内容でしたらごめんなさい...
とんでもないです。ありがとー!
このサイトに集う人たちはみなさんマニアックなので、ちっとも「ごめんんさい」では
ないですよ!
渦の中にいるときは自分がどこに向かって進んでいるのか分からずイラつくこともありますが、
“だれでも多読サークル”で先生に違った方向から感想をいただくことで、
気持ちをリセットしてシャドーイングに取り組むことができています。
また2週間、時には自分をだましだまししながら、前に進んで行こうと思います。それでは、日付変わって明日から、お気をつけて行ってらして下さい。
土産話を楽しみにしています!
ありがとうございました!
土産話はできればリアルタイムでベルリンとプラハから!
I さん、また水曜日に会いましょう!! ありがとー!!!
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