おおざっぱに言うと・・・
多読は2001年から社会人の間で広がりはじめました。
多読授業は2005年から広がりはじめました。
そして、いまでは多読も多読授業もずいぶん知られるようになってきましたが、
それでもその中でも最前線はあります。
多読的スピーキングでは電気通信大学のわたしの授業でしょうか。
多読的ライティングでは福岡女学院大学付属です!
たくさん書いた生徒たちがどうなったか?
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福岡女学院大学付属で多読授業を情熱と冷静さを兼ね備えて推し進めている
「さめちゃん」の報告です。
(最後に、それを読んだ都立高校の先生の感想も引用します!)
多読はどう見ても現在関東関西が中心です。
しかしこのMLでヒントを頂いた多書にかけては日本のどの学校よりも時間
をかけて取り組んでいます。そして、多読の創成期に見られたであろう奇跡をこの2年間で見てきました。
わたしはそうした奇跡を、この10年間、毎週のように目撃してきました。
創成期だけではないのです!
今日新学期が始まりましたが、夏休みの宿題に多書として日記(語数自由書
けるだけ書いてくる)を課していましが、夏の日記多書を加えて英語コースは今日でクラス平均多書語数10000語
を超えました。夏休みの日記だけで合わせて何千語も書いてくる生徒がごろごろいます。
もっと英語が苦手なクラス(進研クラス平均偏差値40~45位)でも、
数百語から1000語や2000語書いて来るような子たちが何人もいます。普通科だけでなく、音楽科でもです。生徒たちの英語日記を見ながらこの子
たちはいったいどこまで伸びるんだろう、と思い感動で胸が熱くなりました。
多読支援の真髄はそこだろうと思います。
「この子たちはいったいどこまで伸びるんだろう」
7月に受けたベネッセのGTECが返ってきましたが、多書を始める前は高2
の7月でライティング(エッセイ:自由英作文)でグレード5を取る生徒は
あまりいませんでしたが、(多聴・)多読&多書(・多話)を去年から継続
している高2の生徒たちは何といきなりグレード5を取った生徒が58名(内音
楽科5名に増加したのです。昨年度、一昨年度と高2の7月は学年で8人しか
G5には達していませんでした。多書をやっていると偏差値では30台や40台の
生徒も多くが書くのは好きだと言います。これも多読同様従来の指導には見
られなかった現象です。このような生徒も教師も幸せにする多書の感動を他の学校の生徒たちにも味
わって欲しいと思います。私もまだ発展途上ですが、武庫川女子や福岡女学院の他にも「多書」という
ことを声を大にして広める先生たちが増えていって欲しいと思います。
また、次に届いたメールでは・・・
ベネッセのGTECテストのライティングについて、もう少し詳しくお伝えします。
グレード5(130点~)は最高グレードではありませんが、ベネッセ調査によりますと、東大合格者の高校2年生時のライティング平均スコアは130.5だそうですから、進研平均偏差値50程度の学校で、155名中57名が130点以上取れるようになったのですから驚きです。因みにその内16名(英語コース)のライティングクラス平均は140.5点でした。従来のaccuracy重視の英作文がいかに生徒たちのやる気と本来持っている表現力を奪ってきていたのは明らかです。多読と一緒で、(多書とセットにした)多書は多くの生徒を救う力があるようです。
多読も多書も 「多くの生徒を救う力がある」--「どこまで伸びるんだろう」と
同じですね。
そしてその次に届いた報告です・・・
今日も高2の英語Wの授業に行って来ました。
多書の味噌は
1.多読と併行して行う(引き出しを増やす)
2.マインドマッピングを使ってブレインストーミングをさせる(書くネタ
を増やせる。長文読解でもマインドマッピングで図式化するスキミングをして
いるとより効果的)
3.多書3原則(辞書引かない、間違えてもよい、日本語混じりでもよい)
4.[量が書けるようになるまで]添削しない(やる気を失わせない)
5.語数をカウントし記録をつける授業では、同時に教科書(Voyager Writing Course)を使って従来通りの
条件英作文もやっているのでその問題点もよく見えてきました。正確に翻訳するテクニックを教える→時間がかかる→量がこなせない
→定着しない→時間をかけた割に書けるようにならないまさに訳読型の精読指導が抱えていた問題点とそっくりです。
マインド・マッピングと、語数カウントはやったことがないので、わかりませんが、
そのほかは電気通信大学の多読的ライティングとまったく同じです。
そして最後の行--これが今後のためには大事です。
精読の問題点を 多読がどう解決するか、
英作文の問題点を 多書がどう解決するかが
そっくりなように、おそらくこれまでの
これまでの英会話の問題点を 多読的スピーキング が同じような原理で
解決するだろうし、
これまでの聞き取りの問題点を 多読的リスニング が同じような原理で
解決したのだと思われます。
わかりにくくてごめんなさい!
要するに、多読の原理が 聞く、話す、書く にも通じていることが
少しずつわかってきたのだと思います。
また、これはすこし話題がずれますが、多読の原理の普遍性(!)を少し
拡大解釈すると、ある都立高校の先生が言うように、
GTECのライティング、早速うちの生徒のを見てみました。
130以上はいなかったですが、120以上だと、11名ほどいました。全受験者が114名なので、ほぼ1割。ちなみにうちの学校の「偏差値」は39です(笑)。しかし、120以上とった生徒は、中学時代は推定45~50でしょう。
私は、システマチックに「多書」指導はしてません。多読の時間にTwitterと称して、30語程度の英語を何でもいいから書け、とやっただけ。授業で文法も一切扱わず。
つうことで、さめちゃん氏のように、「多書」をもっと意識させればこれはもっと伸びそうですね。
やはり学校英語を否定するのが、「お受験」にも一番効果的なんでしょう。
最後の一文のような結論も、少しずつ見えてきたと考えています。
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