メモ#8-1、-2、-3 をどう書くか、迷っています。
そこできょうのところは電気通信大学の学生のシャドーイング報告をもって代えます。
劇薬シャドーイングに関するいちばん最近の報告と言えます。
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メモ#7で、劇薬シャドーイングを提案するに至った経緯を書きました。
そのいきさつはは昨年3月の「そふぃ」さんの報告で終わっていました。
そふぃさんの報告を読んだあと、わたしはシャドーイングの役割を考え直し
はじめました。そして半年以上考えた挙げ句、11月の村祭りの講演の中で
正式に提案しました。
けれどもその後ふたたび迷いが生じてしまい、村人のみなさんにどう提案するか、
悩みに悩みました。
背中を押してくれたのは、電気通信大学のある学生でした。
その学生のシャドーイングが非常に聞きやすくなっていたので、びっくりして、
報告を書いてもらいました。
それがリンク先のシャドウイングについてのレポート.pdfです。
この報告に、二、三のコメントをつけます。
* 第1ページ下の方に、「おそらく本物らしい英語」でわたしの授業の学生が
話していたと書いてありますが、この部分はレポートを書いた????くんが
カタカナ英語意外を知らなかったからではないかと思われます。
つまり、わたしの多読クラスの学生の話す英語を過大に評価なさいませぬよう。
とは言うものの、わたしのクラスを取っていない学生にとっては、
(この時、まだ????くんはわたしの授業に出ておらず、この衝撃から
単位にならないのに授業に出てくることになります。)
「偽物の英語」ではなく「おそらく本物らしい英語」に聞こえたということは
事実のようです。それは「発音」だけではありますまい。わたしの授業で、
数時間英語を話して、「それらしく聞こえるように」なっていたということでしょう。
「それらしく」とは、タモリさんの「四カ国語麻雀」に似た「らしさ」ということと
思われます。多読的スピーキングの最初はまさに「それっぽさ」が目標と言えます。
* 第2ページに、単語と文法の勉強について書いてあります。
わたしは学生が何を勉強していようと、「やめなさい」とは言いません。
学生自身が多読・多聴・シャドーイングと「試験向けの勉強」をくらべて、
tadokuに戻ってくるのを待ちます。たいていの場合、戻ってきませんが、
この????くんや、別のある学生のように「戻ってくる」人もいます。
????くんの場合は、多読的な方向をさっとつかんだようです。
関係詞が不得意という自覚があって、関係詞の勉強はしたようですが、
その一方で「英文の示す状況・状態をイメージする様に心がけた」という点に
それを感じます。
* 第3ページで????くんが「心がけていた事」は、すばらしいと思います。
わたしはこんなに細かく指示していません。
①の「音だけに集中し、耳から聞こえてきた情報を愚直に繰り返す」というあたり、
メモ#7の「そふぃ」さんの書いていることと同じですね。
②もすばらしい。⑤もいいし、⑥はおかしい!
* 「気がついた事」の中の③に注目してください。
最初は英語にすら聞こえない これが 劇薬シャドーイング ということですね。
????くんの場合は、Scholastic Readers のThe Devil Wears Prada が
十分劇薬だったわけです。
* その後、The Devil Wears Prada は覚えてしまうほどシャドーイングを
繰り返したので、カタカナ英語になってきました。
そこで、さらに劇薬と思われた Harry Potter のシャドーイングを勧めました。
* すると、そのあたりから????くんの音は急速に英語に近づいたように思います。
びっくりしましたね。横で聞いていて、ハリー・ポッターの話がほぼわかるのです!
The Devil Wears Prada の最初のころは完全にもごもごだったのです。
それが????くんの言うには 30時間から70時間くらいで、
十分に英語の特徴を備えた音、リズム、メロディーでシャドーイングできたのです。
今後????くんがどうなっていくか、報告しますね。
????くんの目を瞠る変化に勇気づけられて、わたしは授業でも全員に
劇薬シャドーイングをやることにして、第1回目を12月の最後の授業でやって
もらいました。
素材はメモ#6で挙げた BBC World Service のページから各国語を
録音しておいて、ワイアレス・ヘッドホンで一斉に流しました。
1月には3回くらいしか授業がありませんが、どうなるか楽しみです!
というところで・・・ ????くん、ありがとう!!!
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