ずいぶん遅れておりますが、つい最近の多読連続講演会(?)がらみの話題を
続けます。
今回は6月23日に銀座アップル・ストアであったiPad、iPhone用の電子本の
宣伝に一役買った話です。(10分間は最短です!)
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これはもう inevitable としか言いようがないと思われますが、
多読用図書は早晩すべて電子化されると思われます。
(わたしはもう何年も前からいわゆるペーパーバックは電子手帳で読んでいます。
近い将来には、紙を使った本は贅沢品になるのではないかな。
芸術品、美術品である必要のない「消耗品の本」は電子本になって、
いまよりもはるかに安く手に入るようになると思われます。)
多読関係の図書で第一号が今回eigoTownというところが出した
「スーパー・リーダー」というわけです。
そのニュースがいま eigoTown のサイトに掲載されています。
http://www.eigokyoikunews.com/news/20100629/12.html
とはいえ、まだ多読用の電子本は た・か・い!
なんと600円だそうであります。
ページめくりと連動した朗読がついているのはよいのですが、
やはり300円以下でなければ早く、広くは売れないでしょうね。
とはいえ(こればかりですが)最初はしかたがない・・・
わたしが多読を世の中に向かって言い出しはじめたころの多読用図書は
800円くらいで、朗読カセットは1500円でした。
多読用電子本も競争相手が出てくれば、そのうち値が下がるでしょう。
とはいえ、課題はそれだけではありません。
こうやって多読が広がるのはよいのですが、(冗談ではなくよいことですが)
いろいろな変形版が「多読」として広がることになります。
たとえば同じeigoTownのサイトには多読についての説明がありますが、
http://www.eigotown.com/eigocollege/special/tadoku.shtml
・・・ まあ、仕方ないでしょう。
特にこの記事の途中に並んだ graded readers のリンクは
はじめて「多読」ということばに触れる人には悪い入り口ではありません。
その先、さまざまな「多読サイト」を渉猟して、自分にあった方針の
「多読」をはじめるきっかけになるといいと願います。
余計な老婆心はともかく、こうやってとにかく「多読」ということばが世の中に
流布していけば、いわば裾野が広がって、裾野が広がれば頂上も高くなると・・・
辞書についても、文法についても、何を読むか、どう読むかについても、
これからどんどんぐちゃぐちゃになっていくでしょう。
それは普及ということにつきものですから、ちっとも気にしていません。
(だからeigoTownの催しにも手を貸した。
それに、多読というのは実に robust and resilient つまりわたしの
言い方では 「しなやかにしてしたたか」なので、どんな入り口から入っても、
多読用の本や音源さえあれば、多読三原則を自分で見つける人はいる・・・)
そうやって、多読がどんなものかわけがわからなくなっても、
多読村に来ればもっとも素朴な形の多読がわかる--それが村の役割
だろうと思っています。
なお、講演会の終了後、イギリスのパブを思わせる内装の店で、
集まった人たちと飲みました。
そこで、ある人からとてもよい提案をいただいたのですが、
実現はもうちょっとお待ちください・・・
(その人からまだメールが来ていないし・・・ ね?)
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