一連の「英語育児はいかがなものか・・・」記事の中で、NHKが英語育児に
警鐘を鳴らす番組を放送していたということを知らせてくださった方がいて、
そのメールを中心に記事を書きました。
記事の後半はマスコミ批判でしたが、その中で書いた中国の文化大革命に関する
大新聞の不可解な姿勢について、最近の朝日新聞が「検証」しています・・・
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よいタイミングです。
わたしが批判の記事を書いたことを忘れないうちに掲載されたのですからね。
で、その記事は 今年の朝日新聞2月4日付け夕刊の第8面、「検証 昭和報道
文革と日中復交 5」というものであります。
手に入る方はご覧になってください。
手に入らない方のためにごく簡単にまとめると・・・
* わたしが記憶で書いたまとめはだいたい合っていたようです。
*当時の朝日の社長は「片岡」ではなくて「広岡知男」という人でした。
*広岡社長は「追放されそうな記事は書かなくてもよい」という発言をしていた。
また、ほかの報道機関についてはこう書いてあります。
他社の多くは外電を積極的に使うなど、早くから政変と林彪の失脚・死亡説に触れていた。朝日はそうした外電を小さく掲載したり、東京本社で書く解説記事で政変をにおわせたりはした。だが一方で、不確かな「林彪健在説」を報じた外電を1面トップ(72年2月10日付)にすえるなど報道がぶれ、大きく出遅れた。
わたしは「小さく掲載」された外電を見逃したのでしょうね。アメリカの週刊誌は大きく
扱っているのに、朝日はまったく伝えていない、真相はわからんなあ、などと呑気に
考えていたのでした。
ところが1年半後に、林彪逃亡死亡の噂は本当だったという記事が朝日新聞に
出て、一気にマスコミ不信になったのでした。
40年近く前のこととはいえ、検証する記事を発表したのはちょっとはよいのですが、
今回の「検証 昭和報道」の記事でもわたしは納得いかないところがあります。
それはこの記事の最後を次のように結んでいることです。
中国の政変発生を否定する記事を書いた秋岡家栄という記者は、
広岡社長からの「追放されそうな記事は書かなくてもよい」という指示があったのではないか。
と質問されて、
その点についても「それはなかった」と否定する。
と結んでおり、まるで、広岡社長からそういう指示がなかったのだから、
秋岡記者の個人的判断がまちがっていただけ、と読める書き方になっています。
トップが「追放されそうな記事は書かなくてもよい」と発言したというだけで、
報道機関としては失格でしょう。
なお、広岡社長の具体的な発言については今月2日の朝刊9面におなじ連載の
3回目があります。
(広岡社長の発言は「歴史の目撃者」論という名前がついたそうです。
そんなものにちゃんと名前をつけるなんて、何をか況んや・・・)
さて、ではわたしたちはどうするか?
40年前の報道は、わたしにはマスコミを鵜呑みにしないようにというよい教訓に
なりました。とはいうものの、信頼できるマスコミを探そうにも、巨大であれば
あるほと信用できない(前の記事で書きました)となると・・・
いまはインターネットがあり、いろいろな立場のマスコミを参照することが
できます。また、場合によってはマスコミよりも信頼できる個人の「報道」も
可能になりました。
たくさんの報道を比較すること、信頼できる個人を見つけること、
いまのところそれがせめてもの方法のような気がします。
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