一つ一つの音は聞けてない!

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・・・というのはちょっと大げさですが、読んでいただけば、

    「そうか、一つ一つの音に注目(?)するのはやめた方がいいかもしれない」

と思えるのでは?

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しばらく前に、audible.com から30本(だったかな?)の音源を購入したと書きました。そしたら「Raquel」さんから、そんなに買って、聞く時間はありますかと掲示板で質問がありました。

未読本1000冊(?)のRaquelさんだけには言われたくない! 
というころですが、ちょっとした秘密があって、実は「ふ~ん」さんに影響されて
2倍速で聞いています。だから15冊分とも言えます。

もっともきのうきのう聞き終わったのは The Girl with the Dragon Tattoo という
スウェーデンの作家が書いた推理小説でした。

    (話は、構想はよかったけれど、やはりこういう話につきものの無理があった)

で、その中で大変衝撃的なことがあったのです。
なんと主人公の名前が聞き取れなかった!

固有名詞は聞き取りにくいものです。
で、今回の主人公は最初のうちずっと Lumquist (ルムクウィスt)と聞こえました。

ところが途中で 「あれ? ひょっとして Blumquist?」と思い始めました。
そして綴りは Blumqvist のほうが北欧っぽいかなとおも思いました。

そこで、何度も耳を凝らす(?)のですが、どうしても 最初が b だという確信は
持てません。Blumquist だったら 「ブルームクウィスt」になるんじゃないだろうか?

あるときはかすかに b が聞こえるような気もするし、
あるときはやっぱり Lumquist のようです・・・

で、ついに amazon.com に行って、Look inside! をクリックしました。
すると なんとというか、やっぱりというか、Blomqvist だったのですね!

やっぱり最初に b があったんだ・・・!

そして、Blum じゃなくて Blom・・・!

さらに、quist ではなくて qvist・・・!

もうだめです・・・ わたしにはなにもかも聞こえていない! と絶望しかけましたが、
こんなことはこれがはじめてじゃない! と思い直しました。

でも、その話はまたいつかにしましょう。

    (どこか忘れましたが、いつかも書いたことだし・・・ Joel の話です。)

固有名詞は「聞き取りにくい」ということがそもそも「一つ一つの音に注目しては
いけない」ことを証明しているようなものです。わたしたちは一つ一つの音を
聞いてそれを並べて語を聞き取って、語を並べて文を聞き取っているわけでは
おそらくないのです。

状況と前後関係があって(わたしの好きな表現では「世界と物語」があって)
はじめて文が意味を伝え、文があってはじめて語が意味を持ち、
語が意味を持ってはじめて一つ一つの音を聞き分ける(あるいは聞き分けた
気になる)のかもしれません。

人の名前や地名は世界や物語とは関係なく使われるものなので、
(いやちょっとだけ関係ありますけどね)
状況や前後関係から推測することがほぼ不可能です。
手がかりがないようなものなので、外国語の固有名詞を聞き取るのは非常に
むずかしいことになります。

でも、問題はわたしがこのオーディオブックを十分楽しんだということです。
第2作も買おうと思っているんですからね。

つまり、一つ一つの音は正確に聞こえていなくても心配ないということです。
外側から攻めましょう。世界と物語を楽しむところから出発です!