「単語の暗記」と「もののなまえをしりたい!」について・・・

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英語学習関係の出版社アルクから、「マガジンアルク」という雑誌に
多読用図書の紹介を、と執筆依頼が来ました。

こういう依頼は常時ありますが、今回 Scholastic Readers の I SPY シリーズを
すすめようと推薦文を書いているうちに、大事なことに気が付きました・・・

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わたし以外にも何人かの人がそれぞれにおすすめの洋書を紹介するという企画で、
わたしも何冊か紹介したうちのひとつはこんな風に書きました。

Scholastic Readers の I SPY シリーズをすすめます。

わたしは単語を暗記するなんていうことは意味のないことだと考えています
が、 物の名前を知りたいという気持ちはこどもでもおとなでもとても純粋な
強い欲求 だろうと思います。

その気持ちにそのまま楽しく応えてくれるのが、写真絵本のこのシリーズ。
それにごく短い文が韻文になっているので、声に出しても楽しい!

    (ここに載せたのは一部だけです。同誌にはほかにもいくつも推薦してある
     ので、たぶん文句は来ないだろうと・・・
     「マガジンアルク」は会員誌だそうですが、アルク社から直接買える
     そうです。)

で、表題の件ですが、「単語を覚えなきゃ」と必死に覚えるのはドーピングで、
長い期間続けるとかならず害があります。「office=事務所、on=上に、I=
わたしは、run=走る ・・・」などの「基本的な語」に日本語を当てはめて覚える
のは特に永続的な害があり、洗い流すには何十年もかかるか、たいていの場合は
一生縛られると思われます。

    (「近眼の独眼龍」さんは最近そうした「やさしい語」の訳がわからなくなって
      きたと言っていますが、それまでにはかなりの多聴・多読が必要だった
      ろうと想像します。)

一方で、人間には自分の回りの物事をことばにしたいという已むに已まれぬ
気持ちもあるのではないかと思い当たりました。

たとえばイギリスの民話で Tom Tit Tot、グリム童話(だったかな?)では
Rumplestiltzchen、それから万葉集では「こもよみこもち、ふくしもよみぶくし
もち、なのらさね・・・」も、名前の強烈な大事さを語っていると思います。

ものごとに名前をつけたい--I Spy シリーズがこどもにも大学生にも大評判
なのは、そういう心の奥底の気持ちを満たしてくれるところがあるからではないか? 

これは「単語の暗記」とは似て非なるものですね。
ほかにもこんな具合にわたしたちの「言葉がほしい!」という気持ちに
応えてくれる本があったら、教えてください。

こうやってメモすることで、そのことをちょっと覚えておこうと・・・

追記 2009年10月現在、アマゾンより紀伊国屋BookWebの方がかなり安いです。