「ひょんな事から・・・」っていう、その「ひょんな事」がなんだったのか、知りたくなると
思いますが・・・
きょうの「多読的おしゃべり会」に参加してくれた「ぴ~ママ」さんからメールが
届きました。ひょんなことから外国の人をホームステイさせてあげて、
その中でどうもいろいろおもしろいことがあったらしい・・・
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ひょんな事から、外国人女性(いちおう英語ネイティブ)に、居候されて
しまって、約4ヶ月間、寝食を共にしました。4ヶ月間、はじめは私も英語の勉強になると思い、一生懸命英語を使って
いたのですが、ある日、これがお互いの誤解の原因だという事に気づき
それ以降、聞くのは英語、話すのは、「わかりやすい日本語」になって
いきました。なんで!折角英語で会話出来るチャンスなのに・・・と思うでしょう。
でも、そのには不思議な罠があったんです。彼女が来たばかりの頃のコミュニケーションは日本語と英語のチャンポン。
でも、彼女は易しい言葉は日本語で、難しい言葉は英語
私の場合は、簡単な英語と、英語ではわからない言葉を日本語で・・・
お互いチャンポンでも、大きなズレがあったんですよ。その1.
彼女は、毎朝日本語で「あなたの今日のスケジュールはなんですか?」て聞く
ので、私は、最初真面目に英語で答えてました。しかし1ヵ月ぐらいした所で、いい加減にこの質問にうんざりしてきたんです。
「なんだって良いでしょ。私の予定をあなたにいちいち報告する必要はないでしょ!!」と言いたくなってきた。でも、要するに、彼女は教科書どおり、朝の挨拶のつもりで言ってたんでしょう。
一般家庭で生活するのは初めてだけど、日本に6年もいて、学校や会社に
通っていたので、これが、日本語の朝の挨拶だと思っていたのかも??
「特に決めてない!」とか「予定はない!」と言えばそれで済むという
事に気づいたのは2ヶ月ぐらいたってからでした。ウチに来た最初の頃は「行ってらっしゃい!」と私が言うと
「お先に失礼します!」って出かけて行ったのです。
多分オフィスではそう言ってたのでしょうか?
これは明らかに間違いだと思ったので、「行って来ます」と教えたら、
その後はちゃんと「行ってらっしゃい!」「行って来ます」の会話に
なったけど・・・帰って来た時は、もちろん夜なので、「Good evening!」って言って
家に入ってくるんですよね。
これは、最初なんか違和感があったんだけど、間違いじゃない!
「Good evening!」に対して、私が「おかえりなさい!」と言ってあげて
いる内に、彼女も「ただいま!」と覚えました。
日本人としては、やっぱり「おかえりなさい!」で迎えてあげたい!
「Good evening!」じゃ、1日に疲れが取れない気がするんですけどねぇ?その2.
普段の会話中、彼女は頻繁に日本語で
「そうだねぇ」「そうだよ」「よかったねぇ」と、いちいち人の話に割り込んで
きたんです。声も大きく、言い方も強いので、こっちが彼女の為に説明して
あげてるのに話を半分も聞かないうちに「そうだねぇ」は無いだろうと・・・でも、考えてみれば、「I see!」「good!」と、英語で言う代わりに日本語で
「そうだねぇ」「よかったねぇ」と言ってただけなのかも
英語で言ってくれれば腹も立たないのに、日本語になると、こっちの話を真剣に聞いてくれてないような印象になってしまう。
(イントネーションもちょっと人を馬鹿にしたような投げやりな言い方だったんで・・・)なんででしょう?
日本人は人の話を聞く時、頷くか「うん!」って言う程度なんですよね。
やっぱり、話し始めて結論も言わない内に「そうだねぇ」は、その先を話す気を
失ってしまう。
これが日本人独特の、日本語独特の、外国語にはならない雰囲気ってもんなのでしょうかねぇ?その3
彼女、どこで覚えたのか、パソコンが立ち上がるのを、待たしている時は
回りの人に「ちょっと待ってろ!」と言っていたのです。
可愛い女性が、行き成り振り向いて「ちょっと待ってろ!」と言った時は
ビックリしちゃいました。
たぶん職場の男性が言っていたので、覚えたのでしょう!!でも、3ヶ月ぐらいたった時、彼女が家に居て、私が外から帰って来た時
ドアベルを鳴らしたら、中から「お待ちください!」と言ったんです。日本人にとっては、「待ってろ」と「お待ちください」は同じ意味の言葉
乱暴に言えば「待ってろ」丁寧に言えば「お待ちください」ですが、
彼女にとっては、パソコンが立ち上がる時は「待ってろ」玄関や電話で
人を待たせている時は「お待ちください」と覚えてしまったのかもその4
結局、どんどん2人の会話は日本語が多くなってきました。
彼女も毎日の私達家族との会話で日本語は完璧なくらい上手になったの
ですが、発音が・・・
ある日、家具屋の「アキャァ~」って言うから、「あきゃぁ~」って
家具屋があるのかと思ったら、「イケヤ」の事でした。
別の日には、「ゴダイバのチョコレート」と言うので、「お台場で
チョコレート」を買ってきてくれるのかと思ったら、
「ゴディバのチョコレート」の事でした。
なんでそうなるんでしょう???彼女が帰って1ヵ月、あの時はイライラ大変だったけど、
今思うと楽しかったです。
家具の IKEA は英語ではたしかに アィキーァ と聞こえますね。
そして Godiva はたしかに グダィバ と聞こえますね。
だから「発音」のわかりにくさではなくて、英語読みのわかりにくさですね。
それもこれもみんな外国の慣習、文化、歴史と日本のしきたりがぶつかっている
のですね。これはね、しんどいこともありますが、とーってもおもしろい経験です。
みなさんも、家族の同意が得られたら、外国の人を泊まらせてあげましょう。
見慣れた我が家の風景が違って見えてくるかもしれません。
わたしの家でもよく夏に何週間も外国の人が泊まることがあります。
でもその人はイギリスの大学生で、日本語と中国語を勉強中。
そこで、わたしの家族は英語は使いません。なんでも日本語です。
何年も前から泊まりに来るので(今年は来ていませんが)日本語がうまく使える
ようになっていくのがよくわかります。
一生懸命わたしたちの暮らしに馴染もうとしてけなげな努力をする子で、
痛々しいほど・・・ その子にわたしは「そばは音を立ててすすらなきゃいけない」
と言ったのですね。それもちゃんとすすろうとする! えらいんだ、ほんとに・・・
・・・と、すこし話がずれてきました。ぴ~ママさんのメールを読んで外国人の
受け入れの話ばかり書きましたが、実際にはわたしたち家族が外国人として
受け入れてもらったことの方がはるかに多いのでした。
みなさんもぴ~ママさんやわたしとおなじような経験をしてみませんか?
日本で、そして外国で。ぜひ経験談を寄せてください。
いつかわたしの一家の「文化摩擦」の話も聞いていただこうかな・・・
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