「犬も歩けば棒に当たる」ということわざがありますが、「Julie」さんはそれをもじって
「多読してると棒に当たる」という記事を書いていて、それについてはまたいつか
書きますが・・・
最近、多読が本当に広がってきたな、と思うことがよくあって、英語の先生たちの
メーリング・リストでもそのことが話題になって・・・ と思ったら、
きのうの夜、Bernal’s Ladder という棒に当たったのでした・・・
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Bernal’s Ladder というのは、おそらく旧約聖書に出てくる Jacob’s Ladder の
もじりでしょうね。Jacob’s Ladder というのはAbrahamの夢にでてきた、地上と天
国を結ぶはしごだそうですが、Bernal’s Ladder は新しい提案が世に受け入れら
れていく段階を皮肉に表現したものです。
(これを言い出した人は John Desmond Bernalという20世紀中葉に活躍した
イギリスの物理学者だそうです。)
どんなものかというと・・・
1. It can’t be right.
2. It might be right but it’s not important.
3. It might be important but it’s not original.
4. It’s what I always thought myself.
1. It can’t be right.
多読の初期はまさにこうでしたね。多読三原則や絵本で外国語ができるように
なるはずはない、まして楽なことだけして外国語を身につけようなんて、なんて
ことだ! というわけです。
当然です。わたし自身、多読を考えはじめたのは約40年前、それが三原則と
絵本にたどりつくには30年かかりました。要するにわたし自身が「お勉強」に
縛られていたのです。
それに比べたらこの広がり方は驚異的早さです。
多読する人たちがだれの眼にもあきらかな「実績」を上げたせいでしょうね。
2. It might be right but it’s not important.
SSSの掲示板でみなさんがいろいろな変化を報告してくださって、
多読が実際に意味のあることだとわかってきて、多読用の本が売れはじめたころ、
「一過性のブームですよ。まもなく終わるでしょう」と言った人がいました。
たしか2003年ごろです。
3. It might be important but it’s not original.
一般的にはいまはこの段階かな?
多読なんて、昔から言われていた、というわけです。
多読三原則や絵本のことが忘れられていることも、3 の表れの一つでしょうね。
たとえば多読からこれまでどおりの精読へと接ぎ木しようとする先生や、
これまで通りの精読でたくさん読ませようとする先生などはこの 3.の変形と
言えるでしょう。
4. It’s what I always thought myself.
世の中全般は 3. の段階だと思われますが、中には 4. まで上っている人も
いそうです。わたしとしては世の中一般が 4. になってくれることを望みます。
そうなれば、みんなが 「え? 外国語を読むのに辞書なんているの?」と
言い出すはずです。
いやそれはもう Jacob’s Ladder でいうと、天国でしょうかね?
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