電気通信大学の一般向け多読サークルに参加されている「pot」さんからシャドーイングについて、報告を寄せてもらいました。
シャドーイングの支援をするときに、わたしはときどき「劇薬」を用います。はじめましての掲示板の「なかいかずあき」さんがちょうど映画「ノッティング・ヒルの恋人」を劇薬として「服用」したときのことを書いていますね。
それとおなじ劇薬の服用をpotさんに勧めたところ、驚くべき効き目で、きょうも鳥肌が立ったのでした・・・
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「鳥肌が立つ」ことを多読支援の目標にしてほしくはないのですが(目標にした途端に到達不可能になる!?)、わたしの場合、どうもそれが一つの目安になってしまって・・・ いかんと思っていますが。
つい先週もある学校で英語の先生方と多読の話をしたときに、わたしは「多読クラスでは鳥肌が立つことが、年に何回かあります」と言いました。「多読前の授業では一度もなかったことだ」とも・・・
こどもや生徒は、放っておくととんでもない高みに到達します。それは出藍の誉れというようななまやさしいものではありません。
目撃する度に、わたしは目の眩む思いがして鳥肌が立つわけです。
potです。今日はありがとうございました。
スワヒリ語のシャドーイングとそれによる英語の聞こえ方の変化についてご報告します。
英語暦
30年以上前に学校英語を8年(中学3年間+高校3年間+大学2年間)のみ
以後英語は仕事で読み書する程度、聞いたりしゃべったりすることは殆ど無かった
外国で生活経験なし
昨年英語を日常的に使う仕事に就き、あせって英会話を始める。
1年間で多読約80万語、多聴は約90時間かなあ(30分/日×5日/週×50週/年×2/3)分
現在の状況
読み書きには抵抗無くなった。
リスニングもある程度は聞き取れるようになった。
会話では、周りの日本人に聞かれることについての羞恥心は克服しつつある。
英語歴はご謙遜の様子ですが、potさんシャドーイングを一言二言聞いただけで、かなり英語に触れている人だということは、わかりました。ところがそれだけに、シャドーイングはカタカナ英語の超高速シャドーイングでしたね。そしてそれはpotさんご自身もわかっていた。
が、ショボイ発音が悲しくて、
「多読多聴マガジン」を読んで、今年初めからシャドーイングを始めるが
実際の会話ではまったく成長せず。
・・・・・・ここから報告・・・・・・・
酒井先生に私のシャドーイングを聞いていただいたら・・
↓
> >もごもごだと思っていたというpotさんのシャドーイングが
> >見事な学校英語超高速シャドーイングだったのには
> >驚きました
↓
で、劇薬処方。なんと!スワヒリ語のシャドーイングという課題をいただいた。
いきなりスワヒリ語という人はいままでいませんでしたね。もっとも劇薬でもなかいかずあきさんの「ノッティング・ヒルの恋人」でした。
感想
英語だと意味を聞き取ろうとしてしまうので、
耳から、脳みその言語を理解する部分に、英語が入っていってしまう。
それを口から押し出すので忙しいし苦しい。
スワヒリ語は全く意味がわからないので、呪文のようについていくだけ。
耳からすぐ口に出て行く感じで、苦にならない。(脳みそには行ってない)
特に子音と子音の絡まりあう音をまねるのが面白かった。
劇薬処方してから1週間して聞かせてもらったところ、子音と子音の絡まり合う様子が実にスワヒリ語らしくて、わたしは感心したのでした。それから念のためもう1週間劇薬服用してもらいました。
↓
2週間後(現在)
英語が今までと違って聞こえるようになってきた。
これがはじめて聞いた進展です。これを聞いて鳥肌が立った!
例 Penguin Readers Level 2 The Railway Children
今までの聞こえ方
ペンギンリーダーズレベルツーレイルウェイチルドレン
2週間後の聞こえ方
ペングゥィンゥイダーズレヴェルトゥーゥドゥエィルウェイチルドュゥェン
無理やり日本語表記にするとこんな感じ、ああしんど。
これを実際にpotさんがやってくれました。まったく違う音が出たことに驚き! そしてカタカナ英語の音と映画らしい音を二つ言い分けられることに、重ねて驚き!!
で、「お!」とThe Railway Childrenのシャドーイングを始めると
初めのうちは、ちょっとかっこよく発音できているが
そのうちに、以前からのショボイカタカナ英語になっていく。
で、そこでやめて、スワヒリ語のシャドーイングに戻る・・・という現況。
これがまたはじめて聞いた現象です。一種のシマウマ?
以上です。参考になりますでしょうか。
「プラダを着た悪魔」のシャドーイング楽しみです!
ひじょーに参考になりました。
potさんの劇薬はとてもよく効いたようなので、いよいよ英語の速い素材に代えてもらいました。スワヒリ語ほどの劇薬ではありませんが、スワヒリ語から The Railway Children に替えても替えた直後はカタカナ英語にならないということなので、英語でも大丈夫ではないかと考えたわけです。2週間後が楽しみ!
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