「pot」さんの音がカタカナ英語からスワヒリ語になって、それから英語特有の音が聞こえるようになってきた劇的な展開について書きましたが、よく考えてみたら、「劇薬」ってなに?という人がたくさんいるのではないかと思い当たって、ここらで説明をしておこうと・・・
これから書くことはすでにご存じの方もいらっしゃるでしょう。でも、知らない人も
少なくないはずなので、あらためて書きます。(新装開店したら書き足すつもりですが、いまも、サイトのトップページから「多聴/シャドーイング」に行くと、いろいろ書いてありますが、これからも何度でも書きます。)
(あまり評判のよくないシャドーイングですが)もしあなたがはじめることにしたとしましょう。
(シャドーイングはいま多読初期とおなじで、いわゆる「講師」がいない
段階です。わたし以外には「抹茶アイス」さんくらいか?)
*第一段階
あなたのシャドーイングを聞いてくれる人がいないとすると、自分で判断しなければなりません。これは簡単ではなくて、potさんもご自分のシャドーイングは「もごもご」だと思っていました。わたしが聞くと、見事な「高速カタカナ英語変換シャドーイング」でした。「見事」というのは、聞こえてくる英語の音をカタカナ英語に変換しながら、それでも途切れずに続けている!
自分で判断する場合は「せわしくないか、いそがしくないか、息が切れないか」を確かめてください。もしそうだったら、(元の英語よりも音節数の多い)カタカナ英語に変換しているかもしれませんね。
potさんの場合は、シャドーイングを聞かせてもらってすぐに「いそがしいでしょう?」と尋ねたら、「いそがしいです」という返事でした。
*第二段階
だれかに聞いてもらわなくても、「わたしのシャドーイングはカタカナ・シャドーイングだ」と判断できたとします。
その場合は、カタカナに変換できないように「なんといっているか理解できないくらい速い素材」を選んで、「もごもごシャドーイング」を試みます。
potさんの場合は、「なかいかずあき」さんの最初とおなじくらい立派なカタカナ英語だったので、ただちに劇薬処方を考えました。英語にかなり触れている人だなという印象もあったので、すぐに踏み切れましたね。(要するに重症だということです・・・)
なかいかずあきさんよりも手強い(重症!)だと思われたので、なかいかずあきさんの場合は Notting Hill を処方(!)しましたが、スワヒリ語をシャドーイングしてもらうことに・・・
で、1週間後(先週の水曜日です)聞かせてもらうと、見事にカタカナを脱していた! あまりにそれらしかったので、社会人多読サークルに来て読書していたみなさんに聞いてもらったくらい!
でも、念のためにもう1週間スワヒリ語をシャドーイングしてもらいました。
で、きのうの水曜日に、potさんから驚きの感想が・・・!
つまり、スワヒリ語のシャドーイングを2週間やったら、英語の聞こえ方が違ってきたというのです。そしてすぐに、potさんのメールにあった、「カタカナ英語と聞こえてきた英語の違い」を実演してくれました。それが見事にいい分けられていたのです!
「シャドーイング」のページにも書いてありますが・・・
ほとんどの人の場合、シャドーイングの第2段階は「もごもご地点」を探すことです。一語一語を聞き分けることができない速さの英語を聞いて、それを意味もわからずに繰り返します。(これがつらいという人が多いのですが、その気持ちはよくわかります。でも、一面、慣れです。慣れると英語らしい音の調べとリズムに乗ることが楽しくなる場合があります。)
これが劇薬処方です。つらいという人が多いので、劇薬という名前にしております。
はあ・・・ 長くなった・・・
あとはみなさんからの質問に合わせて書きましょう。
掲示板でも、メール・フオームからでも質問をお寄せください。
最後に一言!
劇薬処方がこんなに効くとは思いませんでした。potさんの場合、1日30分で2週間、つまり7時間ほどで、カタカナ英語と別れを告げた(?)ことになります。
いわゆる発音練習ではこんなに早く英語独特の音を意識できるようにはならないと思うので、これからは劇薬処方を積極的に使って、どの程度汎用性があるのか、たしかめてみようと思います。いままではどちらかというと漢方薬処方だったような気がします。スワヒリ語、ウルドゥー語、アゼルバイジャン語などで、頭の中をかき回した方が手っ取り早いのかもしれません。
ま、いずれにせよ、これからのシャドーイングの進展が楽しみ!
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