いよいよイギリス児童文学の黄金時代にさしかかってきました!
これだけのものが無料で読めてしまうとは・・・
あらためてインターネットのすごさを実感します。
(わたしが児童文学ばかり読んでいたころは、
こういう本の入手がそもそも時間とお金がかかって大変だった・・・)
その8です。ここまで来ると、少しだけ終りが見えてきました。
今回から、「その1?その6」で紹介したものが重複して出てくるので、それらについては、「その1?その6」を参照してもらうようにしています。
また、有名な作家も多いのですが、全部の作品を載せるとすごーく長くなるので、リストは、できるだけ児童文学とそれに関係する作品に絞っています。載せていないものについては、Gutenbergで直接見て下さい。
●● 第3章 英米児童文学の黄金期(1860?1900年) ●●
● イギリス児童文学 ●
本格的なファンタジーの登場として、キングスリー、キャロル、マクドナルド等があげられている。
★Kingsley,Charles(1819-1875)
「水の子」が有名。社会風刺小説等も書いている。子供向けは次の2冊(?)。
Heroes,The(US,267KB)
Water-Babies,The(US,376KB)
また、大人向けだが、子供にも多く読まれたものは、
Glaucus; or The Wonders of the Shore(US,268KB)
(Gutenbergには、他に41作品)
★Carroll,Lewis(1832-1898)
「不思議の国のアリス」が有名。その続編は「鏡の国のアリス」。
Alice’s Adventures in Wonderland(US,159KB)
Through the Looking-Glass(US,183KB)
Hunting of the Snark,The(US,39.7KB)
Sylvie and Bruno(US,377KB)
Phantasmagoria and Other Poems(US,85KB)
Game of Logic,The(US,131KB)
★MacDonald,George(1824-1905)
子供向けの物語と同時に大人向けの小説も多く書く。
子供向けは、次の4つ(?かな)。
At the Back of the North Wind(US,156KB)
Light Princess and Other Fairy Stories,The(US,194KB)
Princess and Curdie,The(US,309KB)
Princess and the Goblin,The(US,285KB)
(Gutenbergには、他に48作品)
★Molesworth,Mary Louisa(1839-1921)
次の2作品の中で、現実世界と非現実世界を往来する子供たちを描き、ネズビットに影響を与えている。
Cuckoo Clock,The(US,224KB)
Tapestry Room,The(US,290KB)
その他に、
Collected Stories(Au,55.2KB)
Rectory Children,The(US,253KB)
Rosy(US,238KB)
”Us” An Old Fashioned Story(US,289KB)
ファンタジーとは別に、伝統的なフェアリー・テールも書き継がれる。
ド=モーガン(De Morgan,Mary)についても触れられているが、Gutenbergには所蔵なし。
★Craik,Dinah Maria(1826-1887)
Little Lame Prince,The(US,267KB)
Fairy Book,The(US,676KB)
その他、Gutenbergには5作品。
★Lang,Andrew(1844-1900)
「水色の童話集」から始まる、12巻の色名を冠した再話集を出版。
Gutenbergには、The Olive Fairy Bookがない。
Blue Fairy Book,The(US,748KB)
Brown Fairy Book,The(US,525KB)
Crimson Fairy Book,The(US,518KB)
Green Fairy Book,The(US,648KB)
Grey Fairy Book,THe(US,527KB)
Lilac Fairy Book,The(US,532KB)
Orange Fairy Book,The(US,537KB
Pink Fairy Book,The(US,527KB)
Red Fairy Book,The(US,661KB)
Violet Fairy Book,The(US,534KB)
Yellow Fairy Book,The(US,596KB)
他に、Gutenbergには45作品。(アラビアンナイト以外は大人向けか?)
★Wild,Oscar(1854-1900)
次の「幸福の王子」が有名。
Happy Prince and Other Tales,The(US,100KB)
他に、Gutenbergには21作品(多分大人向け)
さらに、写実的な物語に注目すべきものが多い(と本には書いてある)。
家庭物語では、
★Ewing,Juliana Horatio(1841-1885)
「ジャカネープス」等を著す。これは、騎兵となった少年が戦場で友人を救うが、自分は戦死して短い一生を終える物語。
Jackanapes, Daddy Darwin’s Dovecot and Other Stories(US,181KB)
他は、
Brothers of Pity and Other Tales of Beasts and Men(US,283KB)
Brownies and Other Tales,The(US,283KB)
Flat Iron for a Farthing,A(US,371KB)
Great Emergency and Other Tales,A(US,372KB)
Jan of the Windmill(US,475KB)
Mary’s Meadow And Other Tales of Fields and Flowers(US,279KB)
Melchior’s Dream and Other Tales(US,351KB)
Miscellanea(US,343KB)
Mrs. Overtheway’s Remembrances(US,319KB)
Old-Fashioned Fairy Tales(US,200KB)
Peace Egg and Other tales,The(US,201KB)
Six to Sixteen(US,378KB)
Verses for Children(US,174KB)
We and the World, Part I(US,283KB)
We and the World, Part II(US,321KB)
家庭物語として、上記モールズワース(Molesworth)の「彫刻のライオン」の記述もあるが、Gutenbergには所蔵なし。
冒険物語としては、
★Stevenson,Robret Louis(1850-1894)
「宝島」が冒険物語として有名。
Treasure Island(US,382KB)
他に、Gutenbergには51作品。子供向けは次の2作品(?)かな。
Child’s Garden of Verses,A(US,63KB)
Kidnapped(US,440KB)
★Haggard,Henry Rider(1856-1925)
「ソロモン王の洞窟」などの冒険物語を多く著作。
Gutenberg(USとAu合わせて)には65冊の本と短編2つが所蔵されている(ほとんどが冒険小説か?)。
そのうち、「ソロモン王の洞窟」とその続編(創元社の文庫本で邦訳あるもの)は、
King Solomon’s Mines(US,455KB)
Allan Quatermain(US,595KB)
She(US,613KB)
次に、歴史物語は、
★Yonge,Charlotte Mary(1823-1901)
サー・スコットの影響を強く受け、「小さな公爵」や「王子と小姓」等多数の作品を書いた。
Little Duke,The(US,236KB)
Prince and the Page,The(US,384KB)
その他、Gutenbergには、52の作品がある(子供向けか大人向けか不明)。
★Henty,George Alfred(1832-1902)
「インドでクライブとともに」等、戦争を扱った歴史物語を書いた。
With Clive in India(US,695KB)
Gutenbergには、他に58作品がある。そのうち、上と同じシリーズらしきものは、
With Buller in Natal(US,650KB)
With Kitchener in the Soudan(US,770KB)
With Lee in Virginia(US,678KB)
With Moore At Corunna(US,733KB)
With Wolfe in Canada(US,687KB)
さらに、学校物語では、
★Kipling,Rudyard(1865-1936)
「ジャングルブック」で有名。学校物語としては、次の作品。
Stalky & Co.(US.386KB)
作品は第4章(1900?1940年)にもわたるが、ここにまとめて。子供向きは次の5つ(?)。
Jungle Book,The(US,291KB)
Second Jungle Book,The(US,357KB)
Just So Stories(US,169KB)
Kim(US,598KB)
Puck of Pook’s Hill(US,326KB)
その他、Gutenbergには34冊(1巻本の作品集等も含む)。
学校物語として、リード(Reed,Talbot Baines)の記述もあるが、Gutenbergには所蔵なし。
次いで、動物物語として、ウィーダ(Ouida)の「フランダースの犬」、アンナ・シュエル(Anna Sewll)の「黒馬物語」に触れられているが、これらは、「その4」を参照。また、動物物語のもう1つ、キップリングの「ジャングルブック」は、すぐ上に書きました。
詩の分野では、「アリス」(キャロル)の中のノンセンス詩、パロディ詩。その他に、下記の2つ。
★Rossetti,Christina Georgina(1830-1894)
本で触れられているのは、次の中の”Goblin Market and Other Poems”。
Goblin Market, The Prince’s Progress, and Other Poems(US,297KB)
Gutenbergには、他に”Poems(US,448KB)”がある。
最近話題の「千の風になって」という詩を聞くとこの人の Song という詩を思い出します。Gutenbergで探したらすぐに見つかりました・・・
SONG.
When I am dead, my dearest,
Sing no sad songs for me;
Plant thou no roses at my head,
Nor shady cypress-tree:
Be the green grass above me
With showers and dewdrops wet;
And if thou wilt, remember,
And if thou wilt, forget.
I shall not see the shadows,
I shall not feel the rain;
I shall not hear the nightingale
Sing on, as if in pain:
And dreaming through the twilight
That doth not rise nor set,
Haply I may remember,
And haply may forget.
もう1つは、上記(冒険物語のところ)、スティーブンスンの”A Child’s Garden of Verses”。
おー、懐かしいです。ずいぶん長い間読んでないなあ・・・
さっきあらためてChristina Rossettiの詩を読んだら、
ずいぶんこちらの受け取り方がちがっていました。以前は「意味」を読もうとしてただけだったということがわかります。いまは音とか、言葉の重さ、軽さ、色合いなどが心に入って来やすくなっている・・・
最後に、
★Crane,Walter(1845-1915)
Absurd ABC,The(US,629KB)
Alphabet Of Old Friends,An(US,358KB)
Song of Sixpence,The(US,2010KB)
この他、絵のみ担当の本が4冊Gutenbergにある。うち、2冊はMolesworthの”The Roctory Children”と”The Tapestry Room”で、ここへ挿絵を入れている。
★Caldecott,Randolph(1846-1886)
Farmer’s Boy,The(US,1184KB)
Frog He Would A-Wooing Go,A(US,1839KB)
Hey Diddle Diddle and Baby Bunting(US,960KB)
House That Jack Built,The(US,1069KB)
Milkmaid,The(US,925KB)
Queen of Hearts, and Sing a Song for Sixpence,The(US,1379KB)
Three Jovial Huntsmen,The(US,4443KB)
その他、絵のみ担当の本がGutenbergに10冊ある。
★Greenaway,Kate(1846-1901)
A Apple Pie(US,993KB)
Marigold Garden(US,473KB)
この他、Robert Browningの詩に挿絵をつけた”The Pied Piper of Hamelin”は高い評価を得ている。Gutenbergにはあと1つ、挿絵をつけた”The Queen of the Pirate Isle”(by Bret Harte)がある。
第4章がまだ半分くらい残っているのですが、あまりに長くなるので、その8はここで終わります。
その9は、同時代のアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドへと進む予定です。ただ、「その1?その6」に既にかなり出てきているので、短く終わるかもしれません。
では、Happy Reading!
さすがに黄金時代だけに、豪勢なものです。
いつかGutenbergからダウンロードして、楽しんでください。
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