多読で育った(?)英語力 2/3 (「英語力」はいかがなものか・・・?)

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さて、「pippi@40’s」さんに大きなショックを与えた中学生についての続きです。
なお、この記事から読みはじめた人はぜひ「1/3」も読んでください。
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第2弾
では、本題です。中学2年生のある少女が、私の英語教室に遊びに来てくれました。彼女のお母さんは、多読はしていたけれども話す練習はしたことがないので、話せないとおっしゃっていました。
そこで、英検2級の面接対策の為にアドバイスをお願いされて遊びに来てもらうことになったのでした。10年以上の児童英語講師の経験から、始めから終わりまでロールプレイ形式で面接シュミレーションをし、会話と会話の流れを結ぶような決まり文句やらを提案しようと考えていました。短い文を音読させられるので、英語独特のイントネーションを伝授して、「らしく」聞こえるような小細工も伝えネバ!とも思っていました。そして、まずは英語シャワー洗礼でびっくりしてもらおうかな〜なんて気軽るに構えていたわけです。
これが私の職業上の「アカ」というものです。いやですね。お母さんの話から、ステレオタイプを作り上げ、話す前から出来るものと出来ないものを勝手に決めつけていました。しかも、それが当たり前だと思っていました。そんな愚かで、浅はかな考えは、英語が骨までしみ込んでいるタドキッズの前では、無惨に玉砕されました。私の全く無意味なアドバイスを静かに聞いてくれた彼女が口を開いて、絵を見ながら物語を作り出していくのを聞いて、言葉を完全に失ったのは私でした。驚嘆!あまりの溢れ出しブリに呆気にとられました。

驚嘆するほどだったというのもすごいことですが、それとおなじくらいわたしが注目するのは、「これが私の職業上のアカですね。」という一文。
これはね、なまなかな(生半可な、とも書く)人の言える言葉ではありません。ぴっぴ@40’sさんの器量の大きさを示す言葉です。ぴっぴさんの将来もこの中学2年生とおなじくらい明るいとわたしは見た! (いや、複雑な意味で言ってるんですよ、これは。英語ができるようになるとかならないとか、その程度のことではないです!)

正直、ものすごく焦りました。私が知っているほとんどの学習者たち、いや、業界人(英語教育界)より、自然になんのストレスもなくストーリーを作り出していくからでした。また、その英語の運用ぶりは帰国子女のものとも異なる、全く知らない力だったからです。というのは、spoken grammarは、帰国子女のように完璧ではないのです。ただ、とても平易な言葉を巧みに使っているのです。しかも、なんだか楽しそう。その感じは、強いて言うと、英語を第2外国語としてマスターしている人たちと似ているように思いました。母国語でないので、ややawkwardな響きが混じります。けれども、邪魔になって理解を妨げるようなものではありません。むしろ、彼女の話すときの特徴のようなものです。フランス人のフランス語訛のような、そんな魅力的なものです。本当に、内心ビビりまくりでした。そして、なんとか自分を正気に保とうと、英語で捲し立てたのですが、いとも落ち着き払って、頷かれてしまいました。しかも、微笑をたたえてる。完璧なる白旗。その瞬間に、
彼女は私の先生になりました。

わたしは実はこの中学2年生の話し方をよく知っているわけではないのです。
半年以上前に一言二言言葉を交わしただけです。ですから、その「フランス人のフランス語訛りのような、そんな魅力的な」響きは耳にしていません。(ただ、応答にかかる時間がまったく自然で、英語が口から出るまでになんの緊張も逡巡もないのに驚いたのでした。)
ぴっぴ@40’sさんの表現も見事ですね。「フランス人のフランス語訛りのよう」というのは、うっとりする表現ですね。chicoさんのいう「タドキッズ」はこれからどんどんこうやって魅力的な「日本語訛り」の英語を話すようになるのでしょうね。
では、3/3つまり第3弾へ・・・