8月5日午後に、「多読の非常識」の改訂版の名前だけを改訂しました!
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これまでの英語教育では、なかなかリスニングができるようになったという話を聞きません。リスニングができるようになるためにはディクテーションなどを一生懸命やらなければならないと考えられています。
●ところが多読では、「多読をはじめてから音声は聞いていなかったのに、多読を始める前には聞いてもわからなかった英語の音声が聞き取れるようになった」という投稿がありました。
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文字を読んでいただけで音声が聞き取れるようになるわけがない・・・
・・・わたしは上の投稿を信じられない思いで読みました。ところがその後おなじ趣旨の投稿がいくつか出てきました。これは本当かもしれないと思い、なぜそんなことがあるのだろうと、後付の理屈を考え出しました。すでにあちこちで話したり、書いたりしていますが・・・
理由1
多読を続けると、英語を日本語に訳さずに、左から右へ出てくる順番に読んでわかるようになる。これは音声を聞くときとおなじ順番で言葉を処理していることになる。
理由2
理由1よりも強力かもしれませんが、多読を続けると「わからないところを飛ばす」癖がついて、「聞き取れない語」に足を引っ張られなくなるのではないか? つまり、聞き取れた部分だけをつなぎ合わせて、自分で物語を作れるようになる。
学校ではたいてい英語を聞きながら日本語に直そうとします。多読中のある中学生はまわりの友だちのことを次のように報告したと、その子のお母さんが伝えてくれました。
[息子さんは]友達がリスニング問題を解くときに、
聞いたことをメモを取って和訳して解こうとしたり、
そこまでしなくても、聞いた内容を和訳して解いていると
いうことを聞いて、びっくりしたという話をしていました。
自分[息子さん]は、聞いたまま思ったことを答えるので(もちろん間違えもある)、友達がそんなことをしているとは思わなかったそうです。
まわりの友だちが聞こえた英語を日本語に直すのは無理もないと思います。
ふだんから、英語はかならず日本語に直しながら読んでいるのですからね。
●なお、多読でリスニングが変わる典型的な場合は、理由1と2が重なって、「理解度は低くても延々と聞き続けられる」という変化がありそうです。
○その一方で、日本語に訳しながら聞こうとすると、はじめはまあいいけれど、
そのうち知らない語が出てきて、一瞬頭が真っ白になり、そのあと数秒は耳に入ってくる音を聞いていない状態になります。(わたしも覚えがある)そして、やっと気を取り直してまた日本語に直しながら聞きはじめる、またわからないところが出てくる、頭が真っ白になる、ほどなく聞くのをあきらめる・・・
さて、この項はこの辺であきらめましょう。
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