シャドーイングのむずかしさ・・・

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シャドーイングはご存じの通り敷居の高いものです、特に人並みの羞恥心を持っている場合は・・・

「Whiskers」さんが、おとなのシャドーイングのむずかしさを語ってくれました。

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酒井先生こんばんは。
シャドーイングのことで盛り上がっていますね。

私は数年前からLLの授業でシャドーイングを取り入れています。MLでも書きましたが、「モゴモゴ」ではなく、精度を求めるシャドーイングでした。とはいっても、「カタカナ英語」にならないでそのまままねる、ということを学生には常々言ってきたのですが・・・。

私は現在2年生のLLを担当しており、週2回の授業で毎回4分程度の課題のシャドーイングを取り入れ(25秒くらいの短いニュースを自分のペースでシャドーイング)、さらに使用しているテキストのユニットが終わったら、そのユニットの音声を数回シャドーイングさせています。
さて、今度の日曜日は、酒井先生がご存じかどうか、英検の試験があります。その試験を前にして、一人の学生が、「先生~、リスニング問題を頭の中でシャドーイングしてしまって、中身がわからない~。」と言ってきたのです。シャドーイングしたら意味を取れない、ということは大いにあり得ることだとはわかっているのですが、じゃあそれを防ぐには・・・?何せ、無意識のうちにシャドーイングしてしまうというのですから。「意味に集中して聞いてごらん?」とは言ってみたものの。この学生はリスニングがあまりできず、発音も独特の癖があるのでシャドーイングを勧めたのですが、う~ん、ちょっと副作用が出てしまったのでしょうか。今回英検には是非合格してほしいので、心配です。

これは驚きましたね! こういうこともあるのか・・・?
どうしたらいいのか、はじめて聞く「副作用」なので、対策は思いつきません。
あてずっぽう(死語?)でいうなら、シャドーイングと多読が十分進んでいないのかな?と・・・
つまり、もっとシャドーイングも多読も時間をかけると、シャドーイングしながら内容も頭に入ってくる?

いや、わかりません。確実なことはいえません。

もうひとつ。みなさんのシャドーイングの華々しい報告に刺激され、私も一発!と今晩の成人クラスでシャドーイングを試みてみました。前回の多読の30秒チャージ同様、すぐにやってみたくなる性格のようです。そして見事に撃沈・・・。単語がわからないときは、タモリのにせ外国語みたいな感じでまねだけしてください、と言ったのですが、できない方がほとんどでした。大人になると、「恥ずかしい」という思いが強いのでしょうね。単語がわかってしまうとカタカナ英語になると思い、ちょっと速めの音源を選んだのもいけませんでした。「遅い方」と思って選んだFrog and ToadのSpringも、成人の生徒さん(最高齢は70代です)方にはあっけにとられるような速さだったようです・・・。速い方はハリポタの1巻。Jim Daleの朗読なのですが、1巻はまだスタイルができていないし、背景説明が最初に延々と続くのでとても速い。これになると、もうほとんどの方がだまりこくってしまいました・・・。
もっとうまい導入の仕方をしないとだめですね。また、ニーズを掘り起こす前にいきなりやってしまったのも失敗の原因でしょうか。成人の方にシャドーイングなど教えてらっしゃる方達に改めて脱帽!です。

さて、当然のことながら羞恥心を持っていて、幼いこどものように聞こえた音を繰り返すなんて、とてもできないという人たちをどう支援するか?

日本語でやってみるとか、ウルドゥー語かフィンランド語のシャドーイングを先生がやってみせてご唱和願うとか・・・

わたしもぜひ羞恥心の壁を打ち破る支援方法を考えます。
みなさんもそれぞれの工夫を知らせてくださいな。

では、Happy shadowing!