「T」さんという方が去年の3月からオーストラリアに研修でご家族ともども滞在していました。まもなく帰国しますが、それを前に、こどもさんたちの英語獲得の様子を報告してくれました。
この中に出てくるSteve Irwinは知っている人もいるかもしれません。実に人なつっこい笑い顔を見せる人で、一度見たら忘れられません。44歳の若さで、亡くなるなんて・・・ 世界中の自然愛好家に惜しまれていると思います。
酒井先生,こんにちは。Tです。
オーストラリアに仕事で来て,家族と生活を始めて約9か月がたちました。先
日,クロコダイル・ハンターという愛称で国民的有名人のSteve Irwin(ス
ティーブ アーウェン)が経営するAustralia Zooに行ってきました。その後,
我が家で起きたエピソードについて,お伝えしますね。
Australia Zooは,クロコダイル(ワニ)に素手で餌をやるというショーが呼び
物で,日本でもテレビ放送されたことがあるようです。この,Steve Irwinは,
傷ついた野生動物(クロコダイルも含め)を保護する環境保護活動家,動物園の
経営者,テレビタレントとして活躍し,日本でいえばムツゴロウさんのような国
民に愛される存在でした。でも,去年の9月にCairnsの海でしびれエイに胸をさ
され,お亡くなりになられました。まだ40歳台でした。Steveを愛したオース
トラリア国民は大変ショックを受け,多くの人が彼の人柄をしのびました。
さて,そんな彼が残したテレビショーシリーズ“クロコダイル・ハンター”のDVD
をお土産に買って来ました。そのDVDでは,Steveがニューギニアのジャングルを
歩き回り,野生動物を探していました。すると,彼が一匹のヘビを見つけまし
た。Steveがヘビを捕まえてじっくり観察していると,捕まえられたヘビが逃げ
ようと慌てていました。そんなヘビの顔を見て,彼がこう言いました。
「アムノッラガッナハーチャッ。」
(話し方は,2拍子で「ノッ」と「チャッ」のところにアクセントがありました。)
それは,こんな意味でした。
“I’m not going to hurt you.”
字幕はありませんでしたけど,オーストラリアなまりも含んだこのセリフの音と
リズムを,子供達がとても気に入って,笑いながら得意げに,何度も何度も繰り
返し,しゃべっていました。
ここが、「こども」ですね。音とリズムがおかしくて笑い転げる・・・
後日ある時,子供のオーストラリア人のお友達が我が家に遊びに来て,約6時間
も一緒に遊び,晩御飯も食べて帰って行きました。お友達と何かの競争をして遊
んでいたとき,私の子供が優勢になりお友達があせっていたのを見て,子供が先
ほどの「アムノッラガッナハーチャッ。」と,笑いながら言ったのです。これを
見て,(この子は言葉の意味を理解していたんだな。言葉は,文字がなくても音
と状況で理解するものなんだな)と,感心しました。
Steveはもうこの世にはいませんが,彼のやさしさが,私の子供達にも伝わった
ような気がしたエピソードでした。
「文字がなくても音と状況で理解するもの」なんですね、本当に。
やさしさまでも「理解する」・・・おとなはそういう「原始的な体感?」を忘れてるんですねえ。
思い出すにはどうしたらいい?
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