日本語多読便り アメリカ・スタンフォード大学より

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アメリカ西海岸のスタンフォード大学の日本語多読授業より二つのニュースをお届けします。

もう一か月前になりますが、アメリカ・スタンフォード大学の新聞に日本語多読の授業の記事が載りました。
ここに掲載されている本の写真は、NPOが読み物作成会を作って、コツコツと作ってきた「にほんご多読ブックス」の一部です(2016年から大修館書店が版元)。
記事のことを教えてくださったのは、スタンフォード大学で春に多読クラスを開いているK先生です。
とてもいい多読授業なんだろうなということがインタビューされた学生さんのコメントから伝わってきます。
でも、どんな記者が、なぜ数ある授業の中で多読を取り上げたんだろう、もしかしたら?と思っていたら、これを書いた学生記者さんは、やはり多読授業の受講者だったそうです。多読がたいへん気に入ったので、他の受講者にインタビューをして、記事にまとめたとのこと。うれしいですね。extensive reading じゃなくて、「tadoku」と書いてあるのもうれしい!
どうぞ、お読みください。

Classy Classes: JAPANLNG 100 takes a new approach to language learning

さらに、その後、これを読んだ多読クラス卒業生からKさんのもとにメールが届いたそうです。

以下、K先生に許可を得て、facebookの記事をそのまま引用します。

 

多読授業ー「第三の場所」の創造。
多読授業の意義は様々であると思いますが、「もう一つの自分の居場所ー第三の場所としての存在」というのは、私が当該コースを創設する目的の一つでした。前に掲載させていただいた大学新聞の記事を読んだ教え子が、わざわざ送ってくれたメールの一部をシェアさせてください。
「大変ご無沙汰しております。<中略>
先生の多読授業の取材を拝見しました。それをきっかけに、連絡してお礼を言わないといけないと思ってメールを書いています。実は自分にとって、その授業は非常に役立ちました。説明はちょっと難しいけど頑張ります。一言で言えば、第三スペースですね。家でもない、通常の仕事場(勉強場かな)でもないもう一つの、気分転換ができるスペースです。そのおかげ、いつもとちょっと違うように本を落ち着いて読んだりする事もでき、新しい発想ができました。特に卒論のころは助かりました。」

 

「第三スペース」・・・過去にもこのようなことを言った学生が何人かいます。多読のひとつの面、よさをよく表していますね。教師に支配されず、学習者自身が解放され自由になる空間!

(粟野)