6月6日(水)雨の中、ノーステキサス大の学生26人がしんじゅくNPO協働推進センターに集まり、多読体験をしました。昨年はしんじゅく多文化共生プラザの「本を読む会」に参加してくれたのですが、今年は短期研修コースの授業の一環として多読体験をすることになったものです。人数も倍の26人。スタッフ6人がかりで多読のお手伝いをしました。
会場は、しんじゅくNPO協働推進センター。1時40分ごろ、26人の大学生が到着しました。ほとんどが20歳前後の元気いっぱいの若者です。多読は未経験。教科書「げんき」は18課ぐらいまで進んでいるとのことでした。
2時になり、早速、5つの島に5,6人に分かれてすわってもらい、まずは多読と読み方の説明をしました。「とにかく楽しんでください」「辞書は使わないでください。絵を見るとわかりますよ」ということを強調。「テストはしません」と最後に言うと、「わー」と声が上がってみんなニコニコ顔。
さて、いよいよ多読です。各グループに一人入ったスタッフが絵本や「よむよむ文庫」レベル0などを使ってまずは、絵をよく見る練習をしました。
上の写真は「よむよむ文庫」(アスク出版)から「落し物がいっぱい」。下は「かようびのよる」(ディヴィッド・ウィーズナー/徳間書店)。絵を見てお話を想像してもらいます。
みなさん、知っている単語を繰り出し、何とかお話をたどっていけたようです。
さて、ウォーミングアップが終わっていよいよ一人一人の多読が始まります。
基本的には、支援者は一人一人の読書を見守ります。
ときには手助けも。絵から読み取れないときなどはヒントを出します。
「この猫の表情がかわいい!」と隣の人に話しかける学生さん。「どれどれ」と支援者も加わります。
もちろん、ときどき質問も。
・「一郎は何ですか」が二人から。
「名前ですよ」とすぐに答えた支援者もいれば、「ちょっと先を読んでください」と答えた支援者も。それでもこだわって先に進まないので、結局は名前だと教えたそうです。
・「招待状」「しっぽ」など。これは「絵(写真)を見てください」で解決。まだ絵から探すことに慣れていない人もいます。
・面白かった(?)のが、ある写真のキャプションの中にある「エヴァンゲリオン」の「ヴァ」。確かに学校では習わない表記です。学生さんにとってはきっととっても不思議だったに違いありません。小さな活字でしたが、アンテナにちゃんと引っかかったのがすばらしいです。
・もうひとつ、最後に「ニホンザル」の「ザル」。「どうして、『サル』じゃないの?」。本当にねえ・・・。
一方、わからない言葉が出てくると、絵をよく見てわかろうとしている学生さんの姿も見受けられました。また、初めて出会った言葉がまた別の本に出てくると、「ここにも出てきた」と見せてくれる場面もありました。学生さんなりにいろいろな発見をして、それをつなげているのがわかり、うれしかったです。
日本語の本を読む経験がない人がほとんどだったため、レベル0がちょうどよく、後半に何人かがレベル1にも挑戦しましたが、やはり進みは遅かったようです。
3時過ぎ、休憩をはさみ、お菓子も食べて、最後はブックトーク。
「せっかくだから」という引率の竹内先生の意見もあり、できるだけ日本語で、ということになりました。
当然ながら一言で詰まってしまったりして大変でしたが、みな内容を伝えようとがんばりました。
1時間半にわたった多読の時間。「ウサギとカメ」の歌を歌ったり、猫のイラストに喜んだり、「にわにわに」を読んで笑い転げたり、同じグループの人とシェアしたり、みなさん、それぞれ楽しんでくれたようです。
感想などは(その2)を読んでください。
(粟野)