2月20日に東日本地区YMCA合同講師研修会「多読授業入門」を行ったことは以前、報告しました。
その中の参加者、H先生が、早速、多読授業をやってみたと報告をしてくださいました。
研修会で、多読について興味をもってくださった「東京YMCAにほんご学院」のH先生、早速『日本語教師のための多授業入門』を同僚と読んだり、多読授業紹介のビデオを見たりして、授業の計画を立てられたそうです。対象は、この春卒業する、N4(日本語能力試験N4級)~N3のレベルのクラス。
研修会からわずか1週間ほどで絵本も60冊用意され、29日が授業初日だったそうですから、すばらしい行動力ですね。
始める前は、心配もあったそうです。
「大人(30歳半ば)のネパール人学生たちが絵本を受け入れてくれるかどうか・・・」
確かに大人の学習者で、「絵本は子どもの読むもの・・・」となかなか手を出さない人もいることもいます。でも、やってみなくてはわからないからあまり気にせず・・・と励ましのエールを送ったのですが、結果は意外にも・・・。
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初多読、思ったよりも、スムーズにいきました!
休憩時間に本の箱をクラスにもっていっていたのですが、クラスにいってみたら、すでに、なんと、絵本を読み始めているネパール人学生も2人・・・
そのうちの一人は、心配していた、30代半ばの男性ネパール人学習者Aさん!ルール説明のあと、よむよむ文庫のレベルゼロ、1の本を紹介すると、他の学生がそちらの本から読み始めるなか、Aさんは、抱え込んだ絵本「くだもの」「やさい」「どうぶつのおかあさん」「いそでみつけた」「おおきなかぶ」などをどんどん読んでいっていたので、そっとしておきました。
一方、ネパール人女子のなかには、1レベルの本はおもしろいといってどんどん読むものの、「絵本はちょっと・・」という人もいたりして、人それぞれなんだなと思いました。あと、「聞き読み」はいいですね。1レベルの本を読みすすんでいないなあ、と思うスリランカの学生や、勉強嫌いのベトナム人学生にすすめてみたら、スムーズに読みすすめられていました。学校(東京YMCAにほんご学院)の方にも、本日、「にほんご多読ブックス」が届いたようです。
音源がダウンロードできるとのなので、来週はもっとたくさんの学生に「聞き読み」体験をさせてあげられそうです。
「ハチの話」、最後の写真のページまでじっくりと見入って、「先生、渋谷のハチの話です」とうれしそうにいってくれた学生もいましたし、「どうして猿の尾は短い」がおもしろかったといいながら、帰っていった学生もいました。
卒業までのわずかな時間ですが、日本語の本を楽しむという体験をできるだけ、味わってもらいたいな、と思っています。またご報告させていただきます。
取り急ぎ 御礼まで
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その後、届いた、心配だったネパール人Aさんの読書記録とアンケートをご覧ください。
私が感心したのは、「絵を見て書いた文を読んでわかるようになりました」のくだりです。
ちゃんと多読的な読み方ができている!だから絵本が楽しめたんですね!
3回実施した多読授業、とても好評だったそうです。
そしてこの4月からは初級後半の授業のプログラムに多読が組み込まれたとか!
H先生、貴重な報告をありがとうございました。また、経過をお知らせ下さい。
(粟野)