2月28日(日)オンライン「読みもの作成入門講座」報告

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昨年、12月13日(日)に続き、2回目のオンライン「読みもの作成入門講座」を開催しました。今回も、早々に締め切らなければならないほど、多くの方が申し込みをしてくださいました。今回の参加は14名。読みもの作成には体験が重要ですから、一度にご参加いただける人数には限りがあるのが残念です。そして、開催をお待ちいただいていたみなさま、ありがとうございました。

今回は、海外はアメリカ、メキシコ、ニュージーランドから、そして、国内も、九州地方、東海地方など各地からご参加いただきました。こうして距離の障害を越えて遠方からご参加いただけるのは、オンライン開催の最大のメリットだと言えます。参加者のほとんどが多読授業入門講座を受講済みで、実際に多読授業を実践なさっている方もいらっしゃいます。また、すでに多読用読みものをたくさん作っている先生も参加してくださいました。活躍なさっている現場も、大学、日本語学校から、地域の教室や、小中学校までさまざまです。

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さて、はじめは、NPO多言語多読理事長の粟野から、「多読向け読みものとは?」と題して、読みものの特徴などについて、説明がありました。現状、どのようなものがあるか、レベル分けはどうなっているかなど、日本語多読特設サイト資料などを示しながら、話します。「目標は1000冊を作ること!」と言った時には、参加者のみならず、スタッフからも「おおっ」と声が上がりました。

続いて、理事の松田が、日本語多読特設サイトの「日本語の多読向け読みものを作ろう」のページを見せながら、多読用読みものを作る時に気をつけるべきことを解説しました。文法や語彙の制限の中でどう表現するか、また、登場人物や小道具の名前も場合によっては考え直す必要があることなど、学習者がわかりやすく読むための工夫を、具体例をあげて話しました。

そして、いよいよ読みもの作成の実践です。先に、よく知られたお話をやさしいレベルにリライトしました。レベル0の「キツネとカラス」のリライトの例を一緒に見た後、参加者は3、4人ずつのグループに分かれ、「ウサギとカメ」「アリとキリギリス」から選んで取り組みました。それぞれのグループにはスタッフがついてアドバイスをしたり手伝ったりします。グーグルドキュメントでテキストを考え、参考になる挿絵を入れるなどインターネットを駆使しての作業です。時間は45分でしたが、みなさん、熱中して、時間が足りなくなったようでした。

できあがった作品は発表して互いに講評します。0レベルは、絵とセリフの位置をどうするかも問題になりますし、ちょっとした一言も吟味が必要で、それぞれ考えを話し合いました。

後半は、文学作品のリライトです。やさしいレベルの時と同様、グループに分かれ、宮沢賢治の「注文の多い料理店」に取り組みました。この作品を取り上げることについては、事前に参加者のみなさんに伝えてあり、予習していただいています。ですが、時間は限られていますので、作業できるのは冒頭のみです。30分でできるところまでとしました。

文学作品のリライトで問題になるのは、どれだけ元の作品の雰囲気を残せるかというところです。やさしく書き換えたいけれど、あまりにやりすぎると、持ち味を失ってしまいますから、匙加減が難しいです。作業が終わった後の講評では、それぞれのグループが、どういうところで、作品らしさ、賢治らしさを残そうとしたのかも語り合いました。

ここまでで、3時間の予定が少し押してしまいました。オンラインでパソコンの画面を睨みながら長時間、休憩もなかったにもかかわらず、みなさん熱心に参加なさっていました。オンラインでもできるものなんですねえ、という声も聞かれましたが、本当に、できるものなんですね! 読みもの作成のおもしろさを実感なさった方も多かったようです。多読読みもの作成に関わる方が増えてくれるとうれしいです。めざせ、1000冊!

<事後アンケートからの抜粋>
・知らないことがたくさん学べ、先生方との協働作業もとても楽しく、大変刺激的で勉強になることばかりでした。
・レベル毎の語彙や文法に合わせるのが難しいのと、原文をどこまで残すか、活かすかというのも悩むところですね。
・絵のシーンと一緒に考えることが面白かったです。
・学習者が理解できるようにリライトしていくのはいろいろな工夫が必要なことが分かりました。作品の雰囲気を残すために、冗長にならないように、効果的な表現を選択し、うまくページを分けて展開させる等、とても勉強になりました。また、レベルに沿って何でもそぎ落とすのではなく、効果的な語や雰囲気を残すのに必要な表現は、レベル外でも積極的に残し、絵とうまくリンクさせたり、前後に類推できる手がかりを置くという工夫はとても大切だと思います。
・自分でなにか読み物を作ってみたいのですが、それができた時には今回のように他の方に見て貰い、意見を述べていただける場があれば嬉しいなと思います。また今後ともご指導お願いいたします。
・本日のように実際に試行錯誤してみる会はとても頭を使い大変勉強になりました。作品を前にして、どこをどのように改善するとよりよくなるか、どこが学習者にわかりにくいかを、先生方が講評されているのを伺っていたとき、とても学ぶところが多く勉強になりました。
・今まで作られた多読教材をどのように作られたのか、そのプロセスを少し説明していただけると勉強になります。

以上

(正会員・作田)

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