3月7日オンライン「日本語多読授業入門講座」報告

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3月の入門講座は、午後4時からの開催でした。ヨーロッパから参加しやすい時間とあって7名の方が参加してくださいました。その他の海外国内各地からの方を含めて全部で17名と盛況でした。

210307多読入門講座写真1

「日本語多読とは?」の概論を担当したのは正会員の髙橋亘でした。今回も、事前に「予習課題」が出ていたため、みなさん、多読がどんな風に行われるかイメージを持って参加されたことと思います。
概論は、自分と多読との関わりから始まりました。
そして、多読とは徹底的に学習者主体の学びが得られる方法であるということが示され、主体的な「読み」を獲得するための多読の4つのルールについて説明が続きました。
次は支援者の役割についてです。支援者は全く何もしなくていいというわけではなく、主体的な「読み」がどの学習者にも起こるように、環境作りや本の準備などに気を配らなければなりません。一人一人に合わせたサポートが必要なため、一人一人への目配りが最も大切な支援になります。そして、支援者が極力「教えない」ことについての説明もありました。教室内にいい学習者コミュニティを生むための工夫や、事後アクティビティの例も示されました。
その後、多読素材の紹介、そして多読研究について触れました。

その次は、正会員・片山智子による実践報告です。
本をどのように準備するのか、どのように提示するのか、記録シートとは?ブックトークとは?と授業を実際に行うときの具体的な例が紹介されました。
みなさんと文字のない絵本を読むワークショップも。

最後に、教育機関別に小グループに分かれて多読について話し合ってもらいました。
5つのグルーに分かれ、多読について聞きたいこと、疑問に思うことなどを書き出してもらいました。
話し合い後は、全体でそれをシェアしながらご質問に答えていきました。
急ぎ足で、お答えが十分ではない部分もありましたが、みなさん、熱心に聞いてくださいました。

以下はアンケートからの抜粋です。

・多読の実践を聞くことができ、具体的にどのような活動があるのかを感じることができました。欧州での教師と一緒に似た境遇同士で、多読について話し合う機会が持てたことも良かったです。
・多読授業を行うにあたり、どのような準備が必要か、また、授業の流れはどうか、学習者同士をつなぐためにどのようなアクティビティがあるかなど具体的に教えていただいた有意義な時間でした。参加者からの質問に一つ一つ丁寧に答えてくださったところもよかったと思います。
・多読ということは、まず文字を読むことができないとできないのでは・・・と思っていたのが、違うことに気付かされました。絵や言葉を通して、内容が分かり、文字も一緒に分かっていくということなのですね。おもしろいと思いました。
・説明だけでなく、ブレークアウトルームでのディスカッションや質問への答えを聞くことを通してより多言語多読の理解を深めることができました。 学習者が「楽しむ」ことが重要だということを今回の講義を通して学ぶことができました。今後の自身の学びに活かしていきたいと思います。

次回の「多読授業入門講座」は4月4日(日)午前9時~11時15分です。
多読にご興味ある方、この機会にぜひご参加ください。

以上

(記 粟野)