2019年3月に多読ワークショップを開いて以来、マレーシアの国際交流基金クアラルンプール日本文化センターでは、日本語多読の活動が盛んに行われています。
以前ご紹介したように多読サロンが1ヶ月に一回開かれているほか、教師研修や有志による読みもの作成も行われているそうです。
担当の近藤麻衣子さんに報告していただきました。
①中等学校の教員向け研修会
マレーシアの地方7か所(残り1か所)を回り、先生方に生徒を連れてきてもらって、
生徒が多読活動をする様子を観察してもらい、教師研修を間接的に行う取り組みをしています。KL(クアラルンプール)で実施した物も含め、9回実施し、教員41名、生徒668名が参加してくれました。
読書に慣れない生徒も多かったため、読み物をA4判サイズで用意し、3人で協力して読んでもらうようにしました。
各地域に私達が出かけていき、学校を借りて行いましたので、色々な教室形態があり、うまくいかなかった会場も正直ありましたが、参加者の評価はとても高く、生徒の多くが喜んで本を手に取ってくれました。
生徒達は声をそろえて「楽しかったー!」と言ってくれ、「読めた」という達成感を味わうことが出来たのではないかと思います。また、読んだ後に「ブックトークセッション」をしました。
こちらも自分の話を聞いてもらいたい、聞いてもらえた、そして友達の話が聞きたい、
とみな前のめりの姿勢だったのが印象的でした。それを観察した教師も「多読」への関心が高まったように思います。
こちらは本年度あと2回実施予定です。②オリジナル作品の作成
7月に教師対象のリライト研修を行った後、有志4名で作品を作ってみました。
マレーシアの写真はマレーシア人の先生が実際に撮ってくれた写真で、マレーシアと日本を比較しながら読め、生徒の身近な話題である作品になったかと思っています。また、他にも日本語パートナーズ(日本語アシスタント)さんが受け入れ先の学校の先生と作品を作ってくださいました。
これらの作品はJFKLのWebsiteに掲載し、無料ダウンロードできるようになっております。
https://www.jfkl.org.my/language/tadoku/malaysiabooks
③JFKLのWebsiteに「多読」関連ページを加えました。
https://www.jfkl.org.my/language/tadoku多読サロンに留まらず、各教育機関で多読をする際のサポートとして、図書の貸出しやJFKLに来館してもらう方法など、いくつか用意しました。
多読サロンに参加して多読を体験するほか、他の平日にも図書館の団体利用ができたり、貸出しを行っているというのがすばらしいですね!やはり、多読は図書館があってこそ!
読みものも、すてきなものができあがりました。早速、私たちもリンクを貼らせていただきます!
(粟野)