4月22日(土)「本を読む会」報告 

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しんじゅく多文化共生プラザの毎週土曜日「本を読む会」は、2017年度になって3回目です。今日は約20人の人が、本を読んでいきました。今までで一番多いです。教室全体に“多読”の雰囲気が満ち溢れていました。たくさんの人が本を読んでいる姿を教室のガラス越しに見て読んでみようかなと思って参加した人もいました。初めての人、2度目の人が多かったのですが、1年前からずっと参加している人や、久しぶりに参加した人など、本当にいろいろな人がいました。みなさんそれぞれに読みたい本を読んで、その本についてスタッフと話したり、参加者同士話したりしました。

今日初めて参加した人の中に、長く日本に滞在していて会話はとても流ちょうだけれど、文字の読み書きはほぼ住所と名前だけ。文字の勉強をしたいというMさんがいました。多読で文字が読めるようになるのかと半信半疑でしたが、「耳で音を聞きながら、絵や字を眺めてみて。だんだんどこを読んでいるかわかるから。そうしたら文字が自然に身につきますよ」と背中を押してあげました。
「え?それだけ?」と言っていたMさんですが、レベル0の聴き読みをしてみて、「読めた、すごいねえ」と読めた自分に驚いていました。そして、「とても良い方法を教えてもらった。家でもしたい」と言ったので、大久保図書館で多読の本を借りるように案内しました。たくさん聴き読みをして、文字に対する恐怖感・苦手意識が消えるといいなと思っています。

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半年ぶりに参加したLさん。「屁っこき嫁」の「屁」がわからなくて「屁って何ですか」と聞くので「読めばわかるから」と言ったら、その本を読んだことがあるGさんが「最後まで読んでわからなかったら君はおかしいよ」と言ってからかっていました。

そのGさんは、今日は「坊っちゃん」を読みました。坊っちゃんがつけた狸や山嵐などのあだ名が面白いと言って、楽しそうに読んでいました。

3月で日本語学校を卒業して製菓の専門学校へ入ったBさん。「お菓子が作れるようになったら、作って持っていきます」と言っていました。今日、Bさんは本当に自分で作ったマドレーヌやフィナンシェをたくさん持ってきてくれました。この「本を読む会」を大事に考えてくれている気持ちが伝わって、とてもうれしかったです。

本を読むのは一人一人ですが、一緒の場で読むことでつながりができていき、そして日本語の力も伸びていく、そういう姿を見て新しい人が参加する、そんなふうになるといいなと思っています。

「にほんごの本を読む会」は4月29日はお休みです。5月6日は開催予定です。
これからもたくさんの人に来ていただきたいと思っています。

(会員/白石)