隔週土曜日「オンライン日本語多読クラブ」(2020年11月〜2021年10月)報告

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昨年、11/14 「オンライン日本語多読クラブ」発足!でご報告してから、なんと、もう一年近くが過ぎようとしています。ああしたらどうだろうか、こうしたらいいか、と、試行錯誤を重ねているうちに、あっという間でした。

そろそろ、ここまでの活動を一度、振り返ってみたいと思います。

(なお、オンライン多読クラブの告知ページはこちらです。)

実施状況

2020年11月14日(土)に第1回を実施して以来、雨の日も風の日も(オンラインだから関係なく)、隔週土曜日に実施してきました。2021年10月2日時点で実施回数は22回を数えます。

当初は学習者の時差に合わせて、日本時間の朝6時、昼11時、夜20時と3種類の開始時間で、隔週土曜日に順繰りに実施していました。しかし、早朝6時開始の回は日本国内の支援者にとって大変な割には参加者も少ないため、2021年5月2日を最後に中止。その後、昼11時、夜20時を交替で1時間半の活動を続けています。

参加者の状況

これまでの参加者のべ数は225人です。異なり数は117人。1回しか参加していない人も半数以上いますが、3回以上参加した人も30人近いです。中には初回から参加し、数えて9回参加した人もいます。

参加者がどの国から参加したか見てみると、30の国と地域にのぼりました。五十音順にあげると、アメリカ、アルゼンチン、イギリス、イタリア、インド、インドネシア、ウクライナ、オーストラリア、カザフスタン、カンボジア、キルギス、コロンビア、スペイン、タイ、ドイツ、トルコ、フィリピン、ブラジル、フランス、ベトナム、ペルー、マレーシア、ミャンマー、メキシコ、モンゴル、ルーマニア、ロシア、香港、台湾、中国となります。日本在住で日本国内から参加した人も20人近くいました。

職業、年齢などは確認していませんが、大学生、日本語教師などのほか、日本関係の仕事をしている社会人、趣味で語学を学習する家族など、さまざまです。また、年齢も、小学生から年配の方までいろいろな人が参加しました。

支援者の状況

このクラブに支援者として参加するのは、NPO多言語多読の会員の日本語教師です。参加した学習者に読み聞かせをしたり、おしゃべりの相手をしたりとその時その時の参加者の状況に応じて活動します。

これまでもいろいろな方に支援者に入ってもらいましたが、みなさんの感想はたいてい、「楽しかった〜」でした。

活動内容

各回、1時間半の内容は、次の通りです。

まず、当日の司会者が、このクラブの目的や、日本語多読の4原則を簡単に話します。そして、オンラインの無料読みものからピックアップしたものを読み聞かせします。また、学習者が楽しめそうなおもしろいサイトや情報を伝えます。

その後、2回目以上の参加者はオンラインや自分の本など、それぞれが自由に読み始めます。一方で、1回目の参加者はもう少し多読に慣れてもらうため、ブレイクアウトルームでさらに詳しい説明を聞いてから、多読を始めます。

最近は、この後、ブックトークなどの会話を楽しみたい人のためのおしゃべり部屋を開くようになりました。中には、普段から自分で本を読んでおいて、このおしゃべり部屋の時間に、自分が読んだ本について話そうと待ち構えている参加者もいます。

残り時間が30分になったころ、全員をブレイクアウトルームに分けて、グループでブックトークをします。お互いに読んだ本を紹介し合う時間ですが、初級者の場合は支援者といっしょにもう一度読んだりしますし、上級者だと、おしゃべりに花が咲くこともあります。

最後にみんなでもう一度顔を合わせて記念撮影をします。

だいたい、毎回、こんな感じで進めていますが、ここまでも手探りでしたし、これからも、参加者の様子を見ながら、いろいろと試してみたいと考えています。

今後のオンライン日本語多読クラブ

このクラブは続けることに意義があると考えています。毎回の参加者数はだいたい10人程度ですが、参加者が数人で、支援者が倍以上という寂しい回もあったかと思えば、20人近くの参加者が押し寄せて、支援者がてんてこまいした回もあります。どんな参加者が来るか、何人来るかもわからない中、安定した運営は難しいですが、多読を体験してみようと思い立ってくれた日本語学習者を、できるだけ幅広く受け入れたいと思います。たとえ、一回しか参加しなくても、多読を知ってもらえるだけでいいと思うのです。

また、最近は常連さんの上級話者の間で、支援者がいなくても、会話が盛り上がるような兆しも見えます。支援者なんかそっちのけで、学習者が中心となって自律的に続く多読クラブになるのも、また、うれしいことです。

(オンライン多読クラブ幹事:作田)