第8回(2021年)多読祭りは初のオンライン開催となりました。日本各地はもとより、海外からも含め、133名のお申し込みがあり、一番多い時間帯で103名の参加がありました。幸い大きな技術的なトラブルもなく進行、懐かしい顔との再会もあれば、初めましての方々ともネットを通じたやり取りができました。
午前の部はNPO多言語多読、酒井前理事長の開会宣言で幕を開けました。コロナ禍での苦肉の策のオンライン多読祭りですが、物理的距離をものともせずに参加できる利点もあります。多読実践者によるTadokuの紹介も、このオンラインの強みを生かし、日本各地で活動されている多読実践者が、それぞれの経験を生かし、趣向を凝らしたものとなりました。
愛知県大府市からは「英語で本を読み隊」のカイさんが多読三原則をご案内。山形県天童市からはnoAさんが、絵本を一緒に見ながら、多読での絵本の読み方の触りを体験。金沢市からはプリンさんがインターネットの動画サイトを利用した字幕無し多観を紹介、Tadokuの楽しみ方の一端に触れました。
続いて実践者の報告として、スペイン語多読をゼロから始めた方の体験談と、2年前の多読祭りをきっかけに英語多読に目覚め、主に多聴多観で英語が使えるようになった方の体験談を聞かせてもらいました。続くQ&Aコーナーでは、多読のことをいちばんよく知っているのは「多読仲間」ということで、事前に寄せられた質問をもとに、NPOの多読講座を受講しているお二方が、それぞれの講座体験を絡めて、仲間の後押しの力、仲間がもたらす情報の力などを語ってくださいました。山盛りな内容で、時間が足りなくなったことも付け加えておきます。すでに多読を始めていて先に進んでる方々にも、かなり刺激になったことでしょう。
午前の最後は、全国(全世界!?)から多読の実践者が集まる多読祭りにふさわしく、お祭りの参加者が普段、主宰/参加している『地域の「多読の集まり」』の紹介で締めくくられました。
参加者アンケートより
- 海外在も含め全国規模の活動と連帯に感動しました。
- 多読三原則の紹介や、多方面からの多読アプローチ、短い時間でコンパクトにまとまっていて、スピーカーの皆さんに感心することしきりでした。
- 多読三原則の説明で「飛び石」を渡るようだと表現されていたのが、とてもしっくりきました。
- Oxford Reading Tree – The Toys’ Party の紹介が面白かった。メガネも見つけられなかったし、動物の変化も見逃してました。
- 金沢の方の動画の紹介、また北海道の方の(本の探し方の)体験談が、私自身もかなり前から多読に興味がありながら独学+挫折の繰り返しなので大変参考になりました。
- スペイン語多読をゼロから始めた体験談を話された方の凛とした佇まいがカッコよかったです! 語学学んでる方々、素敵だなぁと。 もっと肩の力抜いて楽しくやらなきゃと痛感しました。
- 現在多読を実践されている方の話を聞き、以前は皆さんも多読に対する同じような悩みを持っていたことが分かりました。そして、多読三原則を忠実に守って実践することが大切なのだと思いました。
- 長年多読を続けていらっしゃる先輩方のリアルな声が聞けたことが、本当に嬉しかったことです。存在そのものが説得力があります!
- 今まで自分の中ではTadokuを通じて「わからなくても気にならなくなる」と思っていましたが、体験談で「わからないことが当たり前」というお話をお聞きしてはっとしました。本当にそうですね、本来は誰でもみんなわからなくて当たり前なんですね!!
- 一章飛ばして読む人もいる、というのは衝撃でした。それくらい気楽に読んだらいいんですね。
- 他の人と比べない。比べるのは昨日の自分だけというのはとても安心できるし、続けていける秘訣かな〜と思います。
- 多読を楽しんでされている様子がとても印象的でした。
- Tadokuの神髄が伝わったと思う。
- 地域の多読サークル紹介(消滅しかけたサークルを個人で再開継続した方の話)が印象に残っています。
- オンラインでも、多読祭りの楽しい雰囲気はそのままでした。画面共有での絵本や動画の案内は、手元でじっくりと見ることが出来るのでわかりやすく、とても良かったと思いました。
- 始めて参加したのですが、こんなに多読を楽しんでいる人たちがいて、交流して楽しそうな雰囲気だなということを全体を通じて感じました。多読って読むだけだから一人でもいいんじゃない?と思っていましたが、多読仲間がいるととても楽しそうだし、自分も加わってみたいです。
つづく報告その②では、午後の部で紹介された本や動画を紹介します。
(会員/owly)