ウズベキスタン 、キルギスで日本語多読ワークショップ!

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こんにちは、正会員で、多読支援研究会幹事の作田です。ウズベキスタンとキルギスで日本語多読の普及活動をしてきましたので、ご報告します。

と言っても、現地に行ったわけではありません。

いえ、本来は現地に行くはずだったのです。1年かけて計画を立てていました。ところが、ご存知のように、新型コロナの襲来で飛行機は飛びません。これはお流れかと、いったんは諦めたのですが、なんと、オンラインで開催しましょうとウズベキスタンの先生がご提案くださいました。そして、それならキルギスも、と、急遽オンラインでの開催が決定し、無事にどちらの国でも多読のお話をさせていただくことができたのです。

ウズベキスタンのワークショップ(2020年8月20日〜21日)

主催してくださったのは、ウズベキスタン国立世界言語大学付属外国語教育最新教授法開発科学実践センターです。今回のワークショップは、作田の多読と、関麻由美先生の漢字マップを使った漢字学習のお話の2本立てで、2日間にわたって行われました。世界言語大学のあるタシケントはもちろん、サマルカンド などからも、ウズベキスタン国内で日本語教育に関わる先生方が大勢集まってくださり、人数は35人前後にもなりました。

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ワークショップでは、まず、多読とは何かから始まり、多読授業のやり方や読み物の紹介をしました。ここまでは、多読授業入門などでの話と同じかもしれません。ですが、この日の目玉は、多読学習経験者の生の声です。

実は、ワークショップを開催した世界言語大学からは日本への交換留学生が来ており、そのうち、何人かが日本留学中に作田の多読授業を経験しています。それで、彼らにワークショップに参加して、多読授業の感想を話してもらったのです。

話してくれたのは3人ですが、それぞれ、「日本の文化のことがわかる」「いっしょに授業をとった他の国からの留学生とディスカッションして楽しかった」「漢字が楽に読めるようになった」など、(多読で培われた?)流暢な日本語で、先生方に話してくれました。

最後には、オンラインリソースを活用して、多読体験です。短い時間ですが、みなさんに多読用読み物を読んでいただき、その後、本の感想を話していただきました。一番に挙げられたのは学生と同じく、日本の文化がわかること。ほかには、文脈の中での言葉の使い方がわかること、音声つきで読めるのがいいことなど、指摘してくださいました。

ウズベキスタンの人にとって日本語は学習しやすい言語だそうです。そのため、学生さんたちも、話したり聞いたりは楽なのですが、その一方で読む方は難しいのだとか。しかし、多読なら苦手意識を持たずに楽しく読めるし、読むことを通して心も豊かになると、先生方も喜んでくださいました。

キルギス日本語教育セミナー2020(2020年8月24日〜25日)

キルギスでは、キルギス日本語教師会がセミナーを開催してくださいました。こちらも漢字の関先生といっしょです。

集まってくださったのは、キルギスのみなさんだけではありません。キルギス、日本、ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタンからもご参加くださいました。こちらは39人にもなりました。

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このセミナーでは、オンラインの多読体験だけでなく、ブレイクアウト・ルームでブックトークを体験していただきました。こちらでも、みなさんが第一にあげる点は、多読の読み物の内容や挿絵、写真を通して、日本のことを知ることができるということでした。

実は、キルギスの文化は日本と似たところがあるのだそうです。例えば、無料読み物にある「青い」を読んだ先生が、青信号や青リンゴで使われる、緑を青という呼び方はキルギスと同じだと教えてくださいました。

また、質問の時間には、第二言語習得との関係、ブックトークのやり方、辞書を使いたい学習者への対応、多聴のことなど、幅広く刺激的で深い議論ができました。

キルギス日本語教師会では、オンライン・セミナーを開いたのは初めてだったそうです。そのため、先生方は事前に集まって練習なさったのだとか。そんな先生方のご尽力のおかげで、セミナーはとても温かい雰囲気の居心地の良いものでした。セミナーの2日目には、オンラインとはいえその場を離れ難く、なかなかZOOMから退出できないほどでした。この時の様子を、キルギス日本語教師会の前会長、ガリーナ先生が「夕刊ビシケク」に書いてくださっています。さらに、このセミナーは露日協会でも報告していただいています。

ワークショップを終えて

ウズベキスタンとキルギスで、オンラインとはいえ現地の先生方とお話しして、驚き、そして感激したのは、みなさんが日本語母語の日本語教師よりも、素早く正確に多読の意義を理解してくださるということでした。これは、みなさん自身に日本語学習者としての経験があり、その経験から多読の有用性を感じてくださっているのだと思いました。

また、2つのワークショップでみなさんが多読の読み物についてまず指摘したことが、読み物を通して日本の文化を知ることができるということでした。これはウズベキスタンからの留学生たちも、授業中たびたび語っていたことです。インターネットなどを通して、こんなに情報が溢れているというのに、それでは伝わらない日本が、多読読み物の中にはあるということだと思います。

以上、今回のワークショップでは、ウズベキスタン 、キルギスの先生方が日本語多読をしっかりと受け取ってくださったという手応えを感じています。

ウズベキスタン国立世界言語大学付属外国語教育最新教授法開発科学実践センターの先生方、キルギス日本語教師会の先生方、貴重な機会を与えてくださってありがとうございました。

今、日本語多読がシルクロードを歩き始めました!

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