6月17日(日)新宿・大久保図書館で第6回日本語多読ワークショップ!

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6月17日(日)、大久保地域センター会議室で、新宿区立大久保図書館主催(協力:NPO多言語多読)の日本語多読ワークショップ「やさしい日本語の本を読んでみませんか?」が開催されました。

このワークショップは6回目になります。前回は、タイ、フィリピン、カンボジア、韓国、中国、台湾、アメリカなど、いろいろな地域出身の方々が19名前々回は20名の方々が来てくださいました。今回も申し込んだ人が20名近くいるとのことで、支援の私たちは張り切って出かけました。
ところが、直前に欠席の連絡が入るなど、結局は参加者4名!ちょっと寂しい多読になってしまいました。

午後2時の開始時間になりました。
館長の米田さんから「今日は、参加者が少ないですが、私たちは一生懸命やります。みなさん、楽しく本を読みましょう。支援の方々の人数のほうが多いなんて、贅沢ですね」という明るい開会の辞。

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続いて、NPO多言語多読副理事長の粟野が「多読、を知っていますか?」と問いかけましたが、手を挙げる人はいません。簡単に多読と、そのルールについて説明しました。

参加者4名は全員男性で、タイ人の社会人Aさんと中国出身の日本語学校の学生さんBさん、Cさん、香港出身の専門学校の学生Dさん。Dさんは定年退職後に来日したという年配の男性でした。

Aさんは、ひらがなは読める、という初級レベルでしたので、支援者が横について「あいちゃん」など、簡単な本から読み始めました。続いて、CDを聞きながら読み進め、4冊目の良さんシリーズは、ゆっくりですが手助けなしで読めていました。

Aさんの初めての「読み」は感動的でした。

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「あいちゃん」の「〇さい」が最初理解できませんでしたが、徐々にわかってきて「ああ!」とうれしそうな表情。あいちゃん、おにいちゃん、お父さんと次々に年齢が明らかになり、最後にお母さんに「なんさい?」と聞くところで、小さい活字で「35さい」と書いてあるところではニヤニヤ。口に指をあてて「し~っ!」というジェスチャー。そうそう、お母さんは大きい声では言いたくないのよね、と支援者とコミュニケーションも成立!
読んでわかることが本当にうれしそうでした。感想の欄には「あいちゃん すき。」と書いてくれました。
次に「よむよむ文庫」(アスク出版)から『良さんのクリスマス』『助けて!』『落し物がいっぱい』を読みました。『落し物がいっぱい』では、最後に落し物の鳥が取り残されるところで展開がわかったようで、ニコニコ笑っていました。
こうした支援者の手助けがあれば、Aさんは次々読んでいけそうです。私たちの毎週土曜日の「本を読む会」にも参加してくれるといいのだけれど、と思いました。

中級のテーブルには中国出身のBさん、Cさんと、香港出身のDさんに座ってもらいました。そのうちの19歳のBさんと年配のDさんは座るなり「あなたは、この間、あの図書館にいましたか?」と、互いに驚きの声。ほかの図書館でふたりともよく勉強していて顔見知りだったようです。すぐに打ち解けておしゃべりも楽しんでいました。
Dさんは、家では、すでに日本語の小説を読んでいるということでしたが、絵を見ながら低いレベルの物から読む、というやり方をよく理解してくれて、レベル0から1へと、次々に読んでいきました。

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Bさんは「みんなの日本語」の第9課を終わったところだということです。まずはレベル0と1のJGRを読んでもらいました。スマホの辞書が気になる様子です。これならば、と思い「ゆうたくんちのいばりいぬ」シリーズ2冊を読んでもらいましたが、読んでからだいぶたった後で辞書で「しっぽ」「たたく」を引いていました。絵から読み取るということがうまくいかないようでした。日本語能力試験のN2を受験するので、どうしてもお勉強モードになるようです。

仲良しの2人を残して、Cさんは隣のテーブルへ移動。

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木村家・良さんシリーズに続けて『老人の町』『屁っこき嫁』など、レベル2の本まで着実に黙々と読み進めていきました。

終了予定の4時が近づいたところで、粟野が「好きな本を挙げてください」と呼びかけました。Aさんは、良さんシリーズの『落とし物がいっぱい』、Bさんは『良さんのクリスマス』、Cさんは『どうしてサルの尾は短い』を、Dさんは『日本の行事』を挙げました。日本に来て2年以上経ち、多くの行事は見聞きしたが、この本によって情報が整理された、とのことでした。

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最後に大久保図書館で日本語多読図書を借りられること、しんじゅく多文化共生プラザの「にほんごの本を読む会」でも多読の本が読めることを話してワークショップを終えました。

次回は来年2月頃の予定です。
次回こそもっとたくさんの方に来ていただきたいです。集客がんばらねば!

松田 記