日本語多読「はじめの1歩」その後~東京YMCAにほんご学院

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2月20日に東日本地区YMCA合同講師研修会で「多読授業入門」と題したセミナーを行って以来、東京YMCAにほんご学院では早速、小さな「はじめの1歩」を踏み出したことは以前報告しましたが、その続編、「2歩目」の報告が届きました。

以下、M先生の報告です。

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東京YMCAにほんご学院のMです。ご無沙汰しております。

多読のご報告です。
2月に先生のお話を伺ってから、当校ではまず1クラスが卒業までの数回でしたが、多読を取り入れました。→https://tadoku.org/blog/blog/2016/04/06/2969
新年度からは学校として初級後半レベルは多読をすると決めて週1回45分と短い時間ですが多読を行っています。
初級後半レベルとしたのは、当校は非漢字圏の学生が多く、中級以降読解でつまずく学生が多いからです。漢字や言葉、文法などの短いものを読んだり考えたりすることはできるのですが、長い文章になるとさーっと学生たちの気持ちが引いていくのがわかるほどです。少しでも日本語の文章に慣れて、読むことが楽しいと思えるようになったら、読解への極端な苦手意識もなくなるのではないかと考えて、初級後半レベルに多読を取り入れました。

ただ、多読の時間の学生たちの様子を見ていると、そんな教師の現実的な目的とは別に単純に本を楽しんでいることがわかり、多読の不思議な力に驚かされてもいます。

image (7)

image (6)

本の都合もあり、初級後半レベル以外は任意なのですが、少し上のレベルでも取り入れるクラスもあり、にほんご学院では多読が広まってきています。
研修会の時にお話した「はなそうDAY」、これにも不思議な効果があり、話が弾みます。いうなれば多話でしょうか・・・。
一方的なご報告ですが、当校の多読は先生のお話をきっかけですので、現状をお伝えさせていただきました。
願わくば、多読が読解練習に活かされますように・・・。(欲張る気持ちは捨てきれません 笑)
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写真を見ると、学生さんたちの表情がいいですね。本にすっかり引き込まれている様子が伝わります。そして、みなさん、広い教室なのにくっつきたがる!(笑)

上記の報告に出てくる「はなそうDAY」というのは、とにかくひたすら話す時間、まさに「多話」ですね。初級クラスも上級クラスもごちゃまぜにして学校を挙げて、間違いも、レベルの違いもなんのその、とにかく話すというユニークな試みなのだそうです。これがまた実に楽しそうなんです!今度はこちらの報告も寄せてもらいましょう。

引き続き、以下は、同学院、初級後半クラス以外の「任意クラス」のH先生の報告です。

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4月に入ってからは、N3~N2レベルのクラスの担任となったのですが、そこでも、多読の授業を2か月半ほど、毎週1コマおこない、大好評でした!あえて、そのクラスでも、ゼロ、1レベルから薦めてみたのですが、前回のN4~N3レベルの学生と違って、読みこなすスピードがさすがに速い。あれよあれよという間に、レベル3,4に到達して、マンガや小説へ・・・と移っていきました。クラス構成は、ベトナム(12)、中国(4)、スリランカ(1)インド(1)だったんですが、ベトナムの学生には、ちびまる子ちゃん、ドラえもん、など母国で馴染みのあるマンガがお気に入りでした。
また、スリランカ、インドの学生は、やはりこのレベルでも「聞き読み」が好きなようで、最後まで多読ライブラリーを読んでいました。
そして、中国の学生は、最後のころには、本屋へ行って、話題の小説を買ってきて、それを読んだりしていました。本屋へ行って好きな本を買えるなら、もう多読は卒業なのかなあと思い、このクラスの多読の授業は一応、終わりにした次第です。今は、この下の、中級のクラスが多読の授業をはじめたようです。
多読の魅力に、学生のみならず、先生もはまりはじめたといったところでしょうか(笑)。

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4月から初めて学期の終わりには、話題の小説に手が出るところまでいった、というのはすばらしい! 以前、私たちが日本語学校で中上級クラスで多読授業億をやったときのことを思い出しました。そうですね。本屋で本を選んで、めいめい読むようになったら多読授業は大成功!卒業ですね。

またの報告を楽しみにしています。

M先生、H先生、ありがとうございました。

(粟野)