11/26(日)オンライン読みもの作成入門講座 報告

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11月26日、今年最後の「オンライン読みもの作成入門講座」を開催しました。
参加者は、インドネシア、アメリカ、関西からの参加で、教育機関も高校や技能実習生の日本語教育機関などまちまちでした。
みなさん、今月初めに「日本語多読授業入門講座」に参加されたばかりで、多読の世界に興味を持っていただけたようです。中には講座受講後、早速授業に多読を取り入れた方もいらっしゃいました。講師は、理事の川本と粟野が担当しました。
最初に、私たちがこれまで作ってきた多読用読みものについて粟野がお話ししました。
市販されている本が「レベル別日本語多読ライブラリー」(アスク出版)「にほんご多読ブックス」(大修館書店)などざっと150冊、オンライン上の読みものが現在114冊。世界の各地で素材をつくっていらっしゃるグループも増え、全部で1000冊は達成間近、あるいは、達成できているのではないでしょうか。

学習者に人気のあるテーマ、作成で気をつけている点などを多読のルールに照らし合わせながらご説明しました。

リライトの留意点を川本が説明した後、いよいよ作成開始です。

レベル0の作成の例として、イソップの「よくばりな犬」ができるまで、を紹介した後、みんなで「カラスとキツネ」を作成することに。

画面を共有しながら、グーグルスライドに、場面分けをしていきました。
その後、イラストを投入。3人でしたので、ゆったり作ることができました。

休憩の後は、中級用読みものをリライトしました。
選ばれたのは、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」。敢えて、難しそうなものを選んだとのこと。意欲的ですね!

情景が浮かぶように、と書き出しに気をつかった発言が出て、早くもコツを呑み込んでくださった、と感心しました。その後も、筋にあまり関係のない言葉を要領よくカットしていきました。途中まででしたが、レベル3を目指したものの「ほぼレベル2」の簡潔な「蜘蛛の糸」になりました。絵で補えたら、シンプルな言葉でも原作の味を損なわずにリライトができそうです。

最後に、みなさんから感想を言ってもらいました。
・1人では煮詰まってしまって、なかなかできなかったと思う。みなさんとの意見の出し合いで、楽しくできた。
・事前に資料を見たとき、とてもできないと思ったけれど、レベル0の作成が案外うまくいった。自分の教えている学習者は、「カラスとキツネ」のレベルなので、今日の経験を生かして読みものを作ってみたい。
・多読を取り入れたら、学生たちが喜んで読んでいる。本物を読ませた方がいいという意見もあるが、原作への橋渡しとなるリライトの読みものも必要だと思った。

【事後アンケートからの抜粋】

  • みなさんと話し合いながら進めるので、自分の思い込みや拘り、言葉のクセが発見でき、ためになりました。
  • 簡単なものであれば1時間ぐらいでリライトができて作品になるんだな!と驚きました。 自分でも学生のために作ってみたいです。
  • 読み物作りをして、意見交換をするようなものがあれば、参加したいです。
  • 物語もおもしろいのですが、事実や文化を紹介する場合はどのように作っていらっしゃるのか紹介していただけるとうれしいです。

次回は、1月28日(日)午後4時~7時です。
ご興味のある方、ぜひご参加下さい。

(記 粟野)