11/25(土)日本語多読ワークショップ@西葛西図書館 報告

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江戸川区立西葛西図書館は、英語多読の活動をしている図書館です。その西葛西図書館で、今回、日本語多読のワークショップ「Let’s Enjoy Reading Japanese Books!」が開催されました。

急に寒くなった11月最後の週末、親子連れから学生さんまで、7名の方が参加してくれました。西葛西の町は、インド系の住民が多いことで有名ですが、今回参加してくれたのは、インドの方はもちろん、スリランカ、ウズベキスタン、韓国、台湾と、さまざまな地域の方々です。
西葛西図書館は、公民館の一部などではなく、図書館として単独の建物です。その3階では、様々なイベント、教室が開催されているようですが、その中の一つの部屋に、学習者のテーブルと、多読用の読みものを広げたテーブルを用意し、ワークショップが開催されました。

まず、最初に、粟野から、多読の意義とやり方を簡単に説明する時間です。話し始める前に、日本語の本を読んだことがあるか尋ねたところ、半分ぐらいの人が手を上げました。本好きな証拠に、本が大好きな男の子が、粟野が話している間も、我慢できず早速絵本を読み始めていましたが…。

その後、字なし絵本の「あいちゃん」や、レベル0の読みものの字を消したもので、みんなで絵を読む活動をした後、それぞれが読む活動の時間になりました。

親子の参加者が2組いたので、お父さんやお母さんといっしょに支援者が読み聞かせをしました。子どもたちも、ひらがなは読めるということで、自分でも声を出して読んだりしていました。

日本語学校に通い始めたという留学生は、ある程度読めるので、レベル2や3を熱心に読んでいます。少し年上の日本に長くお住まいの参加者は、読むのはできるけれど、あまり話せないからと参加してくれました。支援者と話しながら読んでいました。

レベル0や1がちょうどいいという女の子は、はじめ、じっと静かに読んでいました。ところが、よく見てみると、縦書きに慣れていなくて、最後ページから逆に読んでいます! 支援者があわてて正しい順番を教えました。そして、NPOのサイトのリンクを辿って音源を入手し、聞き読みする方法を教えると、スマホから音声を聞きながら熱心に読んでいました。

こうして、支援者が話しかけたり読み聞かせをしたりしながら1時間ぐらい読んだ後、休憩をはさんで、ブックトークの時間になりました。2つのグループに分かれて、どの本がおもしろかったか、お互いに紹介し合いました。それぞれ、気に入った本があったようで、借りて帰る本も決めていました。なんと、このワークショップの参加者は、みなさん、すでに図書館の利用者で、図書カードも持参しているのです。実際、図書閲覧室に行ってみると、日本語が母語ではなさそうな利用者が何人も来ていました。多様な利用者がいる図書館なのですね。

ワークショップの締めくくりに、もう一度、粟野がオンラインの読みものの使い方や、オンライン多読クラブの紹介などをしました。

参加者のみなさんの感想によると、図書館で借りられる多読用読みものや、オンラインの読みものサイトなどの情報を得られたこと、支援者と話せたことなどを喜んでくれていました。

学習者の利用率の高そうな西葛西図書館で、日本語多読がもっと広がるとうれしいです!

(正会員:作田奈苗)