10/1(日)オンライン日本語多読授業入門講座 報告

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報告が遅くなりましたが、10月1日(日)午後4時より、オンライン日本語多読授業入門講座を開催しました。
参加してくださったのは、ルーマニア、キルギス、アメリカ、名古屋など国内外の4人の方で、児童生徒の日本語学習支援に携わる方、高校、大学の先生などでした。
前半は正会員の片山智子が「日本語多読とは?」と題して概論を話し、後半は同じく正会員の高橋亘が、大学での多読実践について具体的に話しました。
概論は、多読に至った片山自身の経験からお話しし、多読を読解授業と比較しながら説明し、多読のルールや多読でどうして読みが流ちょうになるのか、そのメカニズムなどを語りました。また、多読用読みものの紹介したあと、支援者は、ひとりひとりをよく見ることが大切と強調されました。最後には、多読だけでなく「多聴多観」でのインプットにも言及しました。

 

後半は、高橋より大学での多読実践についての詳しい報告がありました。最初は、レベル0の無料公開の読みもの「どうぞどうも」を参加者の皆さんと読んで、「どうぞ」「どうも」だけのやりとりで展開する物語を楽しみました。

その後、授業を始める前の準備、最初の授業にすること、はじめに持って行く本、授業内でする支援、そして記録など細かく事例が紹介されました。評価の例や授業のあとのアクティビティの紹介、授業内でできないときの短時間多読「ちょこっと多読」の例も。
かなり詳しい報告に、みなさん、授業のやり方のイメージが湧いたのではないでしょうか。

【アンケートからの抜粋】
・先生方から多読に関する内容を紹介していただき、特に実践例が紹介されていることが非常にわかりやすく、大変勉強になりました。特に「どうぞどうも」がおもしろくて、シンプルで楽しさを伝える多読教材だと感動し、自分でも作ってみたいと思いました。
・以前にも多読についての講演、発表を聞きました。また講座に参加する前に勧められたビデオも見たのでゼロ知識ではなかったです。でも今日詳しい説明を聞いて以前得た知識が整理できました。ありがとうございました。
・JSL児童のための多読クラブの開設を考えており、今回、講座に応募いたしました。質疑応答の際では、「慣れは大事」「読むことを苦だと思わず、楽しんでもらう」ことを教えていただき、大変勉強になりました。

今回は、読みもの作成にご興味のある方のご参加でした。私たちは、読みもの作りも、多読の考え方を知った上で行っていただきたいと考えているので、読みもの作成入門講座とともに、多読授業入門講座にも参加していただけてうれしかあったです。
素敵な作品がたくさん生まれますように。
次回の日本語多読授業入門講座は、11月5日です。

(記 粟野)