8月21日(水)埼玉県入間市日本語教室で多読を紹介!

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会員の徳永由佳さんが、8月21日(水)、埼玉県入間(いるま)市日本語教室・仏子(ぶし)のボランティア・スタッフ研修会で日本語多読を紹介しました。以下、徳永さんの報告です。

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8月21日、埼玉県入間市日本語教室のスタッフの約半数にあたる9名が参加し、多読スタイルの学習方法が地域のボランティア日本語教室でどのように活用できるか、意見を交換しました。
この日本語教室の学習者は市内在住のさまざまな背景を持った社会人です。
私は今年の4月からスタッフに加わり、少しずつ多読用のよみものを紹介してきました。といっても、最初は教室の端にさりげなく(?)よみものを並べておくだけだったのですが、そのうち学習者が気づいて手に取って読んだり、さらに気に入って何冊も持ち帰ったりするようになりました。また、それを授業で利用するスタッフも現れました。
こうして教室全体に多読用よみものの存在が知られるようになったタイミングで、幸運にもスタッフ研修会で多読を紹介する機会がもらえたのです。
研修ではまず、多読の意義、目的、ルールなどを説明したあと、いくつかのワークショップを行ないました。

20190821 日本語教室・仏子(5)

ワークショップでは、全員で“絵本の絵を読む”体験をしてから、3人ずつのグループに分かれて活動しました。まずは、レベル0の英語多読読み物を回し読みして、気がついたことや気に入った点などをわいわいおしゃべり。
次に、休憩を兼ねて「やさしい日本語のよみもの」を自由に手に取ってもらう時間。あらかじめテーブルの上に、既刊の多読用よみもの全巻はじめ、無料でダウンロードして印刷できる冊子、市販の絵本、漢字にふりがなが付いているコミックやヤングアダルト小説などを並べておきました。そのあと、興味をひかれたよみものを約20分間“模擬多読”。心に残った1冊を手に、グループ・メンバーの組み換えをしました。

20190821 日本語教室・仏子(4)

新しいグループでは、それぞれが選んだ1冊を使って、ペアで模擬授業を試みました。学習者役がよみものの中の言葉や内容について質問し、スタッフ役は「やさしい日本語」で応答する。それから、スタッフ役のリードで、その話題を広げて「やさしい日本語」でやりとりする、というものです。グループの中のもう一人はコメンテーター役を務めました。最後に、全員で模擬授業の体験について感想を共有し、いつもの教室活動にどのように利用できるか意見を交換しました。
出席者からは、
「レベル別にやさしい日本語で書かれている、という意味がわかった」
「よみもののテーマの広がりが概観できて、よかった」
「学習者がよみものを探すサポートができるようになると思う」
「ほぼマンツーマンで行われている教室なので、学習者に合わせて授業に取り入れやすいのではないか」
など、好意的な反応が得られました。
ただ、教室には既定の活動計画もあるので、今年度は学習者全員で多読の時間を取ることは難しいようです。
この日本語教室は、市立図書館分館の小さな会議室で行われています。よみものが手近にあるいい環境も十分に活用して、少しずつ多読を広めていけたらいいなと思っています。

(会員 徳永由佳)