8月21日(火) ”日本語パートナーズ”研修で多読ワークショップ!

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国際交流基金の「日本語パートナーズ」プログラムをご存知でしょうか。インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシアなどのアジアの中学・高校で数か月間、日本語教師や生徒のパートナーとして、授業のアシスタントをしたり、日本文化の紹介を行うプログラムです。
詳しくはこちら→https://jfac.jp/partners/

会員の徳永由佳さんが、9月末よりこのプログラムでインドネシアに派遣されることになり、その事前研修で「多読」を紹介してくださいました。
以下、徳永さんの報告です。

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8月21日 “日本語パートナーズ”派遣前研修でワークショップ「やさしい日本語の本をたくさん読もう」を自主企画

会員の徳永由佳です。国際交流基金の“日本語パートナーズ”プログラムで、インドネシアの高校に半年間赴任することになりました。赴任は9月からですが、8月の4週間、国際交流基金関西国際センターで派遣前研修を受けました。研修の中に、希望者が自主的に企画する時間が用意されていたので、せっかくの機会だと思って立候補し、「日本語多読」を紹介してみました。

キャプチャ

“日本語パートナーズ”の応募資格に日本語教育の知識や経験は必要ありません。このワークショップに参加した研修生10人はみな「多読活動」はもちろん「日本語学習者向けやさしい日本語の読み物」があるということを、今回初めて知ったそうです。それでも、赴任中、また、帰国後に何か役に立つ経験になるかもしれないと考えて参加してくれたようです。

この自主企画には、研修3週間目の8月21日(火)午後2コマ100分間が当てられました。前半で、日本語多読の考え方と読み方のルール、日本語学校や地域の日本語ボランティア教室などの活動、市販の多読本やウェブサイト上で無料で利用できる読み物を紹介しました。また、五味太郎の絵本『どいてよへびくん』を使って、「絵を読む」ことも体験してもらいました。

教室の雰囲気が温まってきたところで、3~4人のグループに分かれて多読用の本を自由に読む時間をとりました。
本は関西国際センターの図書館にそろっているものを全部借りてきました。「よむよむ文庫」(アスク出版)、多読ブックス(大修館書店)、KCよむよむ(関西国際センター)、NPOのウェブで公開されている無料の読み物などです。
そして、最後の15分ほどで、印象に残った本を1冊選んで、グループ内で紹介しあってもらいました。

そこでは、こんな感想が聞かれました。
「わからない言葉だけでなく、文では書かれていないこともイラストが手掛かりになって理解できるだろう」
「民話や昔話では、挿絵に日本の文化情報が多すぎて、かえってストーリー理解のじゃまになるのでは?」
「逆に『木村家』シリーズは現代の日本文化がよく伝わる」
「『良さん』シリーズ、もっと続きが読みたい」
「日本の名作文学のリライトは貴重だ。日本人が読んでも納得できる読み物になっている。<やさしい日本語>の意味の一端がわかった」
「情報を伝える読み物は読者の興味を引くようだ。読者カードの書き込みも多い」
「学習者の作った読み物がおもしろい。赴任校の生徒といっしょに何かできそう」

参加者が日本語指導の経験者ではなかったので、指導方法については詳しく取り上げませんでした。
これからの半年間を海外の若い学習者とともに過ごすみなさんに、日本語多読の存在を紹介できたことが、今回の成果でした。

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徳永さん、貴重な機会に多読の読みものを紹介してくださってありがとうございました。
アジアの日本語学習者のみなさんにもぜひ読んでもらえたらうれしいです。
インドネシア便りもお待ちしています!

(粟野)