3月10日「日本語ボランティア講座」報告 その1

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2週にわたって横浜のみなみ市民活動・多文化共生ラウンジ主催「日本語ボランティア講座=実践編=」で多読研修を行いました。

3月10日(木)13:30~15:30
NPO副理事長 粟野真紀子が講師
参加者24名。
多読の考え方を説明し、多読のルールにそって読むことでたくさんの日本語をインプットでき、それが次第に日本語の読み書き、そして話すことへとつながっていくというお話をしました。

とくに日本で暮らしている外国の方は、さまざまな形で日本語に触れているはず。語彙や文法学習を積み上げていくのではなく、読むこと(聞くこと)から始める多読のアプローチは有効ではないかと私たちは考えています。
でも、多読という言葉をはじめて聞いたという方が多く、驚きと戸惑いの表情をされている方が多かったように思います。
それが、実際の多読の風景や一生懸命読んだ話をしてくれる学習者の様子などの映像を見ているうちに、徐々に霧が晴れるようにみなさんの顔から「?」が消えていくのがわかりました。
その後、私たちが作っているレベル別日本語多読用読みものを手にとっていただいたり、英語のoxford reading tree で絵を読む楽しさを体験していただきました。
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最初は、パラパラとページをめくっていましたが、「何か落ちていませんか」「ヘンな人がいませんか」という質問をきっかけに、表情も和らいで、楽しそうに絵をみてくださいました。
また、字は読まなくていいという指示を素直に守ってくださったので、講師がわからない英語があって、辞書を引きたくなりましたか?と問いかけると、「まだ字は読んでいないからだいじょうぶ」と答えられたのがとてもほのぼのといい感じ。
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その後、レベル別の読みものだけでなく、絵本や漫画などのお勧め本を紹介し、次回はそれぞれの方が担当する学習者に使ってみようと思う絵本や漫画などを持ってくることを宿題にしました。

最後に感想や質問を聞いてみると、
「なんだかよくわからない」と正直に言ってくださる方や、「やってみたい」「漢字や文字を覚えるのにはよさそう」という感想が出ました。
「大人の学習者にこのような子ども向けの絵本は喜ばれないのではないか」という疑問も出ました。
「でも、みなさん英語の絵本はけっこう楽しんでいらっしゃいましたよね」と答えたのですが、それでも腑に落ちなかった様子・・・。
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以下、アンケートから

★今後の教室活動にどのように活用できそうですか。
□ひらがなを読むことは出来ても、その意味をどう理解するのかと思ったが、絵で読み取れるんだなと少し解った。
□ためしにやってみたいと思った。
□本がたくさんある環境に連れてゆきたい
□自分も使っているが全シリーズを揃えるのは金銭的に大変
□発話のきっかけに使えそう
□音読を含んだ多読は英語の学習の際に4技能を伸ばすのにとても役だった経験があるので、活動に取り入れることは有効だと思った。特に漢字のマスターには相当に役立つように思う。
□ ゼロ初級対象でひらがなの認識が出来るようになった後、カタカナ指導、漢字指導の代わりにこの多読でいける?!
□資料をどう準備するかなど考える必要はある。学習者が興味を持つかどうか判断をしてから、現在の状態から変えることが必要かどうか見極めることが大切。
□分かり易い本を提供して、本を読む習慣が出来れば良いと思う。
□授業の最後に使ってみたいと思った。
□絵を見ての想像力と音声を同時に活用すると効果がありそうなことは分かった。実践に向けては少し考える。
□絵本は初級の方には良いと思った。何度も読んでいる間に覚えることを聞き納得。
□相手のレベルや環境によっては利用できるかもしれないが難しそうだ。
□教室全体として取り入れることは出来ないと思うが、自分自身のクラスの中で90分のうち10~15分くらいの時間を「読む」時間にあててもいいかなと思った。マンガの方が好むかなと思う。(中1の男子の担当)
□よくわからなかった

★本日の講座で印象に残ったこと、ご感想、講師への質問などご自由にご記入ください。
□多読を取り入れることの大切なことを分かり易く説明されていたと思う。
□具体的な事例を紹介して頂き、活動のヒントになるものが多くあった。
□読解を強制ではなく、自発的に行うのはどうしたらいいかと私もウーンと考えた。
□新しい考え方だと思った。
□ゼロ初級の場合、絵本を用いる場合、フォントが気になる。
□人に教えるのではなく伝えることが大切と感じた。
□子どもの絵本とばかり思っていたが、大人にも使えることを知って良かった。
□ためになったことはたくさんあったが前半ずっとお話しだったのでつらかった。後半は映像があったので良かった。
□書いても覚えない桶の中に入れたものは少々覚えていて、後で知識として出てくる我々が英語を習うのと同じだなと思った。
□学習者によって好む、好まないがあるような気がした(ジャンルなど)
□中国語の多読材料があれば教えてもらいたい。中国語学習入門者として多読法を試してみたい。

(川本)