3月17日(木)「日本語ボランティア講座 =実践編=」報告
3月10日に引き続き、みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ主催、第2回「日本語ボランティア入門編修了者と経験者向けフォローアップ講座」が行われました。
今回は「多読を取り入れるために必要なこと」と題し、NPO多言語多読・川本がワークショップを行いました。参加者は28名(うち2回目のみが8名)。
6つの島にわかれ、新しい参加者と2回目の参加者が混ざって活発に意見交換ができるように座っていただきました。
【多読を取り入れるために必要なこと】 13:30~15:30
1. 多読に向いている本とは?わかりやすい読み物とは?(13:30~14:30)
当NPOが執筆、監修している「レベル別 日本語多読ライブラリー よむよむ文庫」(アスク出版)「にほんご多読ブックス」(大修館書店から刊行予定)の特徴とレベル分けの基準についてハンドアウトを配り、説明。
また、市販の絵本、マンガ、児童書などとレベル別読み物との違いを説明し、理解、納得していただいた。
2. 多読をどう取り入れて、どうすすめていくのか?(14:30~14:50)
レベル0「屋久島」:スクリーンに映しながら、音声を流し、活字を解読して読むのではなく、写真から、場面の状況から、内容を読み取ることが大事だと実感してもらう。
多読のやり方:絶対という正解はないこと、一人ひとりの学習者にあったやりかたがベストであること、大切なことは学習者をよく観察すること。また、読書記録や記録 ノートも多読支援には貴重なものとなることを説明。
音の大切さ : 読み聞かせ、聞き読み、聞くだけ、シャドイングなどの方法がある。
3.グループで話し合い。多読を取り入れる可能性、質問、疑問、最後に発表。(14:50~15:30)
また、先週宿題にした絵本などがどのような学習者に適切か、グループで話し合い、発表。
結果、多くの参加者から授業に多読を取り入れてみたい、やってみたい! という声が上がった。
(田中)
以下は、アンケートから。
★今回の講座の中で、今後の教室活動に活かしたいと思ったことがありますか。
□多読の学習授業は大変に良いと思う。教材の選択が難しいと感じた。
□同じグループの方が持ってきて言葉図鑑(五味太郎)が面白かった。
□JLPTに結び付けられるか?
□読みものをテキストではなく絵本に替えることからやってみたいと思う。
□多読とまではいかないと思うが「読む」という時間を学習時間(90分)の中の一部に取り入れてみてもいいかなーと感じた。
□学習支援というtaskからすると、時間が第一、教材の取りそろえが第二に難しそう。学習支援の枠組みを変えることと予算の問題の解決が必要。
□授業の一部として/多読スペシャルデー/本が好きな生徒に1対1ですすめる。夏休み宿題教室の読書レポートの対応として。
□日本語がほとんど出来ない、外国から来たばかりの子ども達に絵のきれいな、簡単なひらがなの絵本を多読させるプログラムを取り入れたい。
□子供には有効と思う。
□毎週は無理だと思うが、本が用意できれば、月1回位できればと思う。
□今まで、マンガ好きの中国人の学生に、マンガのコナンを読んでもらったが、いまいち興味が伝わってこなかったので今後方法を変えて、マンガなどを活用出来ればと思う。
□シャドウイングによるイントネーションの矯正
□聞き読みをやろうかと思う。
□現在、コミュニケーション力の高いクラスを担当している。活発に発話してくれるが、今後15分~30分程度の時間を取り、多読を取り入れ、読後、感想などを話し合ってみたい。
□現在のカリキュラムに中に、どのように取り込んでゆくかということを考える必要がある。
□聞き読みとシャドウイングは参考にしたい。
★本日の講座で印象に残ったこと、ご感想、講師への質問などご自由にご記入ください。
□実際に多言語多読の学習現場を見てみたい。
□はじめに音が重要だということだが、CDなど無い場合、私たちが読まなければ。。。上手に読まなければなりませんね。又、講義して頂けると嬉しい。
□アウトプットの場をどうしているか。
□評価(上達レベル)はどうやって判断しているのか。
□講師の方の話し方、進め方が生き生きとしていてとても良かった。
□前回(先週)の講座では多読ってどうかな?と少し疑問が残ったが、今日のお話で多読のメリットみたいなものが大分理解できた。
□以前、新聞で多読(英語)を実践している私立の小学校か中学校の記事を読んだことがある。学校では、読む、書く、聞くが同時に出来る環境にあるので上手くいくように思う。ボランティアでするのは難しい面もあるかと思うが、参考に出来る部分もあると思った。
□全体的に共感出来た。
□素敵な本を色々ご紹介頂きありがとうございました。購入します。
□「多読のすすめ」を読んでいたので、内容的には同じでもう少し違う話も聞けたらなと思った。
□読む、聞く、書く、話す、4つ同時に進めるのが良いが、読むことで他の3つの力も伸びる。多読のメリットが分かったように思う。
□このような教え方があるのは初めて知った。今後の参考にしてゆきたいと思う。
□「多読」も良いが、「多聴」も良いのではないか。たとえば、音楽の好きな人には日本語の歌を聴くこと。
□本だけではなく、音も加えることにより効果が得られそう。
□多読と日本語学習について、何かがつかめた。実際にやってみないといけないと思った。
□多読のメリット。プレッシャーがない、他人と比べない、出来ない人ほど多読好き。
□もう少し具体的なイメージを知りたかった。