タイ・バンコクで多読普及 続編!

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6月20日、21日にタイ・バンコクで多読セミナーやワークショップをしてから早3か月、正会員・山口ひとみさんのがんばりで、多読普及活動が少しずつ進んでいます。
以下、バンコクにある日本語学校で多読セミナーをした山口さんの報告です。

8月19日 多読セミナー報告 IMG_1485-2
山口 ひとみ

場所:J EDUCATION CENTER(Bangkok, Silom)
時間:15:30〜17:30
参加者:先生方9名

セミナーを実施した日本語学校には多読ライブラリーが揃っており、先生方はこの本の事を知っており、テスト後の活動として読ませている先生もいます。
どうしてたくさん読むのかという多読についての説明のあと、絵本を使って絵を見る大切さについて話しました。そして、多読のルールの説明。
みなさん熱心に聞いてくださり、韓国語版「どいてよヘビくん」や英語の本、Oxford Reading Treeを使っての絵を読む活動の意図もよく分かっていただけたようです。そして、どうして易しいレベルから読むのか等の多読ルールについても、理解できたのではと感じています。
多読の本を実際に読んでもらった後で、日本語多読を実践したことのあるタイ人スタッフにに学生の視点からの感想を話していただきました。(彼女は2013年にNPO多言語多読の日本語多読クラスに通い、日本語多読をしました。)
「日本語の本を読んで、日本の文化・歴史などを知る事ができ、仕事の参考になった。ネットなどにもあるが、難しすぎて読めないので参考にならない。本を読む事はとてもいいことなので、ぜひいろんな学生に読んでもらいたい。」

セミナーの最後のほうでは、学校で実施するにはどうしたらいいのかという導入に向けた話しもでてきていましたので、参加した先生方には多読の目的が伝わったのではないかと思っています。

IMG_1489-1セミナー中に出て来た質問
●どのレベルからできるのか
▶︎私自身、会場となっているJ EDUCATION CENTERで教えていた期間に『みんなの日本語』10課終了後の学生に実施したことを伝えました。しかし、10課終了程度では読める本が0レベルのみとなるため、あっという間に読み終わってしまう可能性があるので、『みんなの日本語』25課終了後がちょうどいいのではと話しました。
●実際に実施するにあたり、貸し出すのはどうか
▶︎学生が多読的な読み方がまた身に付いていない段階では、教師監督の下で読むのがいいため、貸し出しはしないほうがいい。また、私自身の経験から、本を貸し出してなくされてしまったこと、本を汚されたことがあるので、貸し出しはなるべくしないほうがいいのではないかと話しました。(海外で新しい本をすぐには購入できないので)

参加者からの感想
●本を読む事の大切さは日本の教育現場でも言われているので、是非今後取り入れていけたらと思っています。
●本を読むことは語学の勉強にとどまらず長期的に、人によい効果をもたすものだいと思うので、とても良い活動だと思いました。
●多読というものを初めて知って、日本語や日本文化について勉強するよい方法だと思いました。
●分かりやすく、授業のやり方も分かって良かった。
●実際の授業でも使ってみようと思いました。JLPTでも読解は難しいという学生が多いので、読解をいやがる気持ちがなくなればいいと思いました。中級クラスで読ませて、それを他学生にどんな話だったからout put する機会があれば、いい練習になると思いました。
●今までテスト終了時に読ませてみていたのですが、なかには読むことに興味を持ってくれる学生もいて、多読をやってみたいと思っていたので、今回のセミナーはとても有意義なものになりました。

疑問・質問点等
●教材で『初級で読めるトピック』というものがありますが、B1・B2ではこれを折を見て取り入れていくのは良い方法でしょうか。これは多読とは別の活動になるのでしょうか。
●元々読書嫌いなど抵抗のある人もいるのではと思うので、そういった学生はその時間内はどうしているのかなと思いました。
●本を読むことに慣れていない人、興味のない人に対しては、あまり適していないみたいですが、そういう人にはどのようにおすすめできるのかと思いました。
●多読の本を最低でも今の三倍にして欲しい。
●実際に学生がどのくらいのスピードで1冊を読み終わるのか、10〜20分程度の短時間でどのくらい読めるのか気になります。人によって違うと思いますが。
●多読をすると、何が一番伸びるのでしょうか。その効果について詳しく聞きたかったです。