9月のオンライン日本語多読入門講座が、9月1日に開催されました。今回の参加者は5名です。中学高校の留学生の日本語授業に多読を取り入れようとしている方、図書館で日本語多読を始めようとしている方など、多読の現場がさまざまな方面に広がりつつあることを感じさせられる顔ぶれでした。今回の講座では、理論を片山、実践を作田が担当しました。
まず、片山から、多読とは何かについての話がありました。どうして多読に取り組むようになったかという自身の経験から始まり、多読の特徴、方法、多読のための読みものがどんなものか、支援者の役割は何かなど、多読がどのような考えで、どのように実践されるかを説明しました。
強調したのは、「勉強」をしていても、読めるようにはならないことです。自身が英語多読をして、いかに読めるようになったかという体験も交えて話しました。
次に、作田が多読授業の実際を、具体的に、自身の実践から紹介しました。最近はオンラインで行われる多読もあるので、対面、オンラインの両方で、支援者が授業を始める前にやること、授業中にやることについて話しました。
後半では、実際に、授業中の学生の様子、作田自身の成功体験、失敗体験を披露しました。
2人の話の後、休憩時間をはさんで、質疑応答とディスカッションの時間です。参加者のみなさんは、ご自身の日本語支援に多読を取り入れることについて前向きに考えてくださり、読書記録の実際はどうなのか、ブックトークは何語で行えばいいかなど、非常に実践的で具体的なご質問が多かったのが印象的でした。
以下事後アンケートからの抜粋です。
- 日本語多読の実践の様子や、良かった点、失敗例など具体的におしえていただいたのがとても分かりやすかったです。日本語多読を始めるにあたってとても勉強になりました。
- 多読について先生方ご自身の経験を併せた説明がわかりやすく、おもしろかったです。
- 事前に動画や資料を送っていただいたところ、会全体がとても落ち着いた雰囲気で、話しやすい司会進行をしてくださったところがよかった。
- 私の携わる現場では、学習者が思春期真っ最中の生徒たちなので、個人の好みや主体性を最優先にした学びの機会を提供できる多読はとても効果的だと感じました。また、生徒たちの言語学習者としての自主性を高め、今後の継続的な学びの手がかりを提供できることも多読の利点だと感じました。
今後も多読授業実践報告の機会を設けたいと思いますので、ぜひご参加ください!
(正会員:作田奈苗)