5/ 7(日)日本語多読授業入門講座 報告

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ゴールデンウィークも終わる日曜日、5月の多読授業入門講座が行われました。今回は夕方4時開始の部です。
地域の学校教育に関係した日本語教育に携わっている方が多く参加なさいました。全員で6名です。
講師はNPO理事長の粟野と正会員の作田が務めました。

まず、はじめに粟野から、多読とは何か、多読の考え方をお話ししました。そもそもどうして多読をしようと思ったのか、というエピソードから始まり、読解との違い、多読のルールなどを説明しました。

夢中になって読んでいる学習者の様子や、おもしろかった本についてうれしそうに話す学習者の様子などの動画も見ました。

続いて、作田から、多読授業の実践についてお話ししました。こちらも、どうして多読をするようになったか、それまでの読解授業で悩んでいたことなどから話を始めました。そして、対面授業やオンライン授業それぞれで、実際にどんな授業をしているか具体的に紹介しました。

さらに、これまでの多読授業で成功したこと、失敗したことなどのエピソードも披露しました。そして、最後に、多読授業での学習者の感想や反応などを紹介しました。

休憩時間を挟んだ後は、参加者のコメントや質問を元に話し合う時間です。いただいた質問と、それに対する講師からの回答をいくつか掲載します。

・海外のオンラインでの多読を考えているが、20分ぐらい読んだら、本のシェアをしあい、また20分読むという構成がいいか、40分、たっぷり読んでからブックトークがいいか。
→レベルによる。初級の場合、20分でよいが、中級以上なら40分ぐらいまとまった時間がほしい。初級なら、レベル0などをみんなでおしゃべりしながら一緒に読んで雰囲気作りをするとよいのでは?

・読み終わってから辞書を引くのはよいか?
→支援者によっては、読み終わってどうしても気になる言葉があったら3つまでは引いてよいという言い方をする人もいる。レベルによる。上級者で十分辞書がうまく引ける人はたまにはいいと思う。ただ、徐々に辞書への依頼度を低くするような声かけは大切だと思う。

・いきなり自分の実力以上と思われる本を手に取った場合、どうしたらよいか。
→見守る。読めてしまう場合もある(興味があるとか前に母語で読んだことがあるなど)。それならそれでよし。読めないようだったら、やんわり他の本を薦める。

・ブックトークを嫌がる子供がいそう。
←強制すべきではない。支援者とコミュニケーションがとれていたら、やる必要はない。教師がいないところでは話すかもしれない。母語が通じる同士の輪ができるなら母語でやってもよい。

・小学3年生で学校の「国語」につまずいている。何かアドバイスは?
→レベル0から読み聞かせや一緒に読んだりして興味を持たせて、読書につなげる。絵本や図鑑など興味のあるものなら何でもよいので、好きなものを読ませたらどうか。

また、アンケートでは次のような感想が寄せられました。

・「日本語の海にはいってみる」という言葉が印象的でした。

・実際の作品をリライトするのを是非、一度、ワークショップでしてみたいです。

<正会員:作田奈苗>