1月9日（土）から、新宿区の多文化共生プラザにて、「にほんごの本を読む会」（毎週土曜日、午後3時半～）を再開しました。
この場所は、かつて2009年1月から2013年3月まで同様の本を読むクラスを開いていた懐かしい場所です。また、いろいろな出会いがあるといいなと願っています。
1回目の9日は、かわいらしい中１男子2人が参加。
2人とも昨年の夏に中国から来日。江東区と港区と全く違う方向から通ってくる2人ですが、ここで出会って仲のいい友達になったとのこと。
来日以来数ヶ月が経ちますが、まだ二人ともあまり日本語が出てきません。学校で日本語を教えてもらう時間はないと聞き、胸が痛みました。
さて、何から読んでもらおうか・・・。
ちょうどアメリカから帰省されていたＪ先生が見学に見えたので、2人に読み聞かせをしてもらいました。
Ｊ先生とは南カリフォルニア大学の多読ワークショップでお会いしています。そのとき、とても読むのがお上手だったのでひらめきました。お願いしたのは、「ゆうたくんちのいばりいぬ」シリーズです。
「おれ いぬ」「おまえ にんげん」
「おまえ わらう」「おれ しっぽふる」
「おまえ ほんがすき」「おれ ほねがすき」・・・
いぬの目線？で、飼い主のゆうたと自分（いぬのじんぺい）のことが語られます。
Ｊ先生の指さす絵と説得力あふれる読み聞かせの力で2人の中1はたちまち、絵本の世界に・・・。
「大当たり」でした！
やんちゃなＡくんは、すぐにやんちゃぶりを発揮。おっとりBくんを「いぬ」に見立てます。
「おまえ パンツはかない」「おまえ ふくきない」・・・って。理解が早い！
単語や文法を反復練習する根気はないけれど、こういう話を見せたら、言葉がそのまま、生きたまま体に入るんですね！
「すき」の意味がわかったところで、聞いてみました。「食べ物で何がすき？」
「ごはん」「さかな」「肉」「すいか」と答えが返ってきました。
「学校の勉強で何がすき？」
「英語」「美術」なるほど～。
かわいかったのは、
「おまえ すぐなんでもきく」「おれ じぶんでかんがえる」
のところで、2人はどっち？と聞いたら、間髪入れずに2人が
「おまえ すぐなんでもきく」を指さし、
「おまえ すぐなく」「おれ がまんする」
では、2人とも
「おまえ すぐなく」を指さしたところ。
あー、中１ってまだかわいいんだ～。
その後、「よむよむ」のレベル0の良さんシリーズや木村家の毎日などをそれぞれ読み、終了。
「学校が好きじゃない」2人が、「学校が好き」に早く変わることを祈っています。
（粟野）