2/18(日)「やさしい絵本からはじめよう! 楽しい日本語&英語多読」報告@大森南図書館

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2月18日(日)、東京都大田区立大森南図書館でワークショップ「やさしい絵本からはじめよう! 楽しい日本語&英語多読」が開催されました。
図書館で日本語多読と英語多読のイベントが同時に行われるのは全国でも珍しい取り組みです。日本語が母語でない方4人、英語が母語でない方7人、合わせて11人が参加しました。日本語非母語話者は、アメリカ、中国、バングラディシュからの方たちでした。大田区内の方の参加が多く、区外の方は2人だけでした。

はじめにNPO多言語多読の粟野理事長が多読のしくみと進めかたを説明しました。多読3原則(日本語は4つルール)、やさしい絵本からはじめて絵をよく見る(読む)など、学校で習う読み方とは大きく違うルールが紹介されました。

説明の後、大森図書館の文字がない・少ない日本語の絵本、Oxford Reading Treeの文字がほとんどないレベルを手に取って読みました。この体験で、文字がなくても絵だけで物語の展開がわかり、楽しんだり感動できることに気づかれた人も多かったのではないでしょうか。多読のはじまりです。

その後の本の紹介と感想を話し合うブックトークでは、『かようびのよる』『Zoom』『わたあめおばけ』『旅の絵本』『アンジュール』『きょうりゅうだ!』など面白かった本を、それぞれ日本語と英語を混ぜながら説明したり質問をする様子もみられました。

後半では席替えをして、文字のある本を読みました。日本語多読・英語多読で人気のある本が、少し進んでから読む本も含めて、ジャンルやレベルを問わず並べられました。英語多読では、「やさしい絵本」以外の本を思わず手に取って、後で苦戦している様子も見受けられたので、もう少し説明が必要だったかもしれません。

最後に2回目のブックトークをして、英語多読希望の方には、羽田図書館の英語の本の蔵書をご紹介し、日本語多読希望者には、多読に向く読みものリストを「お土産」にしました。

アンケートには以下のコメントをいただきました。

・交流の場としてもよかった。
・もう少し、外国の方と交流できるとよい。
・楽しかったです。
・英会話になれる方法が少しわかった気がします。
・多読の基本がわかりました。

図書館は、地域に住む国籍の異なる人々が本を通して交流し、読書の楽しさを交換できる場になりうることがわかりました。やさしい絵本からはじめる多読では、学びたい言語が違っていても、一緒に本の楽しさを伝え合うことができることも、このワークショップからみえてきました。一方、こちら支援をする側としては、不十分な点が多々ありました。アンケートの「同様の講座がまたあったら参加したいか」という質問に多くの方が「また参加したい」と答えてくださったのでホッとしましたが、今回の反省を踏まえ、次回に臨みたいと思います。

参加したみなさんが、図書館の本を利用してどんどん多読を進めてくださるよう願っています。
(小川 記)