1/28(日)「オンライン読みもの作成入門講座」報告

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1月28日、「オンライン読みもの作成入門講座」を開催しました。
受講生は結局3名でした。アメリカの公立学校やシリコンバレーの企業で教えている方、タイの高校で教えている方、日本の大学ですでに多読授業を始めている方などです。理事の粟野と松田が講師になってスタートしました。

最初に、粟野がこれまで作ってきた多読の読み物について話しました。現在、市販されている「レベル別日本語多読ライブラリー」(アスク出版)「にほんご多読ブックス」(大修館書店)などが約150冊、オンライン上の読みものが116冊。冊数は増えましたが、科学物や、恋愛物などは、読者の希望があるのに手薄になっていること、ほかのレベルと比べてレベル2が足りないこと、などです。

レベル0の作成の例として、イソップの「よくばりな犬」ができるまでを紹介して、初級の読み物づくりをスタートしました。

話し合いで「アリとキリギリス」を作成することに決めました。お一人が接続の状態が悪かったため、残念なことに実質二人での作成となりました。
画面を共有しながら、グーグルスライドに場面分けをして、そこへ、イラストを入れていきます。

「アリとキリギリス」の一場面

遊び暮らしていたキリギリスが冬になって食べ物に困り、アリの家へ助けを求めにいく最後の場面まで来ました。意外なことに、おやさしいお二人は、「アリがキリギリスに食べものを分けてあげることにしたい」とおっしゃって、「一年中遊んでいてはいけないよ」と苦言を呈しながらアリが食べ物をあげる結末になりました。

10分の休憩をはさんで、中級用読みものをリライトしました。
お二人とも芥川龍之介の「蜘蛛の糸」をやってみたいとのことでしたので、レベル3でスタートしました。

(画面共有をして、一緒に考えながらリライトしていきます)

はじめのうちは、こんなにカットしてしまっていいかなあ、とためらわれていましたが、だんだんに、これは要らないからカット、と大胆になり、お釈迦様がカンダタを見つけて、蜘蛛の糸を垂らすところまで、いい感じのリライトができました。極楽にいるお釈迦さまなど、イラストで補わなければならない場面がある、ということも実感していただけたように思います。

最後に、お二人に感想を言っていただきました。
・とても勉強になった。リライトをやってみたくなった。
・こうやって作るのか、ということがわかった。楽しかった。

粟野から「やさしくするだけでなく、少しわかりにくいかな、と思われる語を入れていくのも多読の読み物に必要なことだ」というコメントがありました。

【事後アンケートからの抜粋】
・とても楽しかった。絵を描くこともやってみたいと思った。多読授業のワークショップに参加したい。
・経験した人から、多読授業をして2‐3年後の状況を聞きたい。

複数の人の意見があると、新しいアイデアもわいてくるので、今回、実質的な参加が二人になったことは残念でしたが、どんどん意見を出していただけたので、私どもスタッフにとっても楽しい講座になりました。

次回は 3月24日午前9時から12時です。
ご興味のある方、ぜひご参加下さい。

松田 記