2022年1月30日(日)「オンライン・読みもの作成入門講座」報告

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1月30日(日)7回目となる「オンライン読みもの作成入門講座」を開催しました。
フランス、カナダ、イタリア、イギリスなど海外からの方を含め14名。教えていらっしゃる教育機関も、国内外の大学、高校、ボランティア、個人でオンラインと様々でした。

【多読用読みものについて】
まず、簡単な自己紹介からスタートです。続いて多言語多読理事長の粟野から、多読用読みものについて説明がありました。
多読用読みものとはどういうものか、どのようなものがあるか、考え方、題材選び、著作権などについて説明がありました。レベル分けや語彙表については、「にほんごたどく特設サイト」の資料を紹介しました。
次に理事の松田が、読みもの作りのポイントを「にほんごたどく特設サイト」の「日本語の多読向け読みものを作ろう」のページを見せ具体例を示しながら解説しました。

【実践1】
いよいよレベル0の作品作りに挑戦です。
まず、例として「無料よみもの」の中の「カラスと水さし」を見せ、「レベル0」とは、絵が物語っていて絵を見ればわかる、そこにとてもやさしい言葉がのっている読みものだということを確認してもらいました。
4グループに分かれ、事前にお知らせしておいたイソップの「アリとキリギリス」「よくばりな犬」「カラスとキツネ」から、ひとつを選んでもらいました。「キツネとカラス」を選んだグループが1つ、あと3グループは「よくばりな犬」を選びました。50分ほどで作業終了。

(1ページに1文言葉を入れ、それに合うイラストを探して入れていきました)

できあがったところまでの作品を発表してもらいまいした。
グーグルスライドに書き込んだり、挿し絵を探したりという作業が得意な方がいてどんどん進んだグループもあれば、ある部分にこだわってじっくりゆっくり進めたグループもありました。完成したのは「カラスとキツネ」のグループと「よくばりな犬」ひとグループでした。
フォーマットややり方などは、主催者側が決定し、その通りに進めてもらえばよかったかもしれません。今後の反省材料といたします。

【実践その2】
後半は、文学作品のリライトです。「蜘蛛の糸」「注文の多い料理店」それぞれ2つのグループができました。
「注文の多い料理店」では、賢治らしさを残しつつ、意見を出し合いやさしい言葉にリライトしたグループ、「蜘蛛の糸」では、リライトのポイントの説明に時間を遡るのは避けた方がいいとあったので原作のままでいいのか、また極楽と地獄の説明をどこに入れるかなど考えることに時間をかけたグループ、「蜘蛛の糸」をお釈迦様ではなく、罪人のカンダタ側の目線で描こうとしたグループなどがありました。
40分後に再集合し、できたところまで発表し、感想、簡単に講評しました。
毎度のことですが、時間が足りなかったというのが実感です。
これは「入門」編なので、どうぞもっと本格的にやってみたい方は、そのあとご案内する「初級用」「中上級用」の講座へお越しください。

最後に、学生による作品作りについて質問があり、正会員の作田が答えました。

以下はアンケートからの抜粋です。

  • 初級と中級レベルではリライトのアプローチの仕方が違うということが分かってよかった。
    それから、短時間でパパッと作れるパソコンスキルも必要だなと実感しました。
  • レベルが入門にちかづくほど、言葉だけではなく視覚的な情報も入れることを考慮しなければいけないことに気付かされました。一方、レベル3の文学作品をリライトする課題では、作者の表現する物語の空気を簡易な言葉でどのように伝えるかということが難しかったですが、実際にやってみたことで勉強になりました。
  • 実際の読み物作りの作業は、グループでアイディアを出して協力し合いながら進め、すごく楽しかったです!皆さんの意見も聞け、とても勉強になったので「もう少し作成自体に費やせる時間があったら…!」と思いました。最初のレベル決めやツール決めは参加者次第でしたが、セットアップに少し時間がかかってしまったので、事前にツールが用意されていても良かったかもしれません。

今回は手順に関して反省する点が多々ありました。今後の講座は改善していきたいと思います。
参加してくださったみなさま、ありがとうございました。

(理事・川本かず子)