英語多読講座だより(火曜午前クラス)NIGさんのブックトーク!

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2月の中旬だったか、講座でちょっと話題になった本がありました。
もともと、土曜日受講生のEさんの寄贈本で、「I WILL ALWAYS WRITE BACK」という400ページ以上ある分厚い本。火曜日のNIGさんが熱いブックトークを披露してくださったことから、何人かの手に渡って、今もどなたかの手に・・・。金曜日講座の長期受講者Fさんなどは、「これまで読んだ中で一番よかったかも?!」と言うほどファンが続出している本です。感動的な実話で、しかも平易な文章でするする読めるところが多読にはぴったり。
そこで、NIGさんにブックトークを誌上再現していただきました。

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平易な文章で読みやすく、あっという間に読んでしまいました。416ページもあったなんて思えないくらい、とにかく感動の一冊でした。それは、飾らない事実だけが淡々と書いてあるからかもしれません。車内で、カフェで、とにかくところかまわず涙があふれて対処に困りました。私の琴線に触れた一冊です。
この話は実話です。書簡のやりとりの形式を中心に進みます。二人の高校生男女、一人はアメリカの中流家庭の普通の女の子Caitlin、もう一人はジンバブエの極貧家庭の優秀な男の子Martinです。通っている学校で、外国人と文通をするという機会を与えられた偶然がこの二人を引き合わせました。クラスメートたちは長く続かなかったのに、なぜかこの二人は文通が続きます。そして、それは徐々にさまざまな気づきをもたらします。Caitlinの親の、娘に対する協力の仕方もすばらしかったです。実際たいへんな労苦だったはずです。 何もしなければ何も生まれないけれど、努力して事を進めれば、何かが実るのだということを態度で示しています。そして、Caitlinと彼女の家族の支えにより、Martinには雲の上のような夢でしかなかったアメリカの大学への留学が現実のものとなります。 この本の素晴らしさは人間愛を読者に気づかせてくれるところです。文通を始めたときからこの二人には愛が芽生えていました。しかし、それは決して恋愛ではなく家族として相手を慮る心でした。
ちょうど多読のクラスに参加できない期間に、たまたま職場の図書館でこの本を見つけました。多読クラスは12回参加したほどの経験だったので、このレベルの本はまだ早い!と言われると思いつつ、「読みたいものを読むのが多読のルール」と自分のいいように解釈して読み始めました。 私も中学生のときペンパルがいました。初めて相手から写真が送られてきたこと、日本とは違う便箋や封筒、紙のにおい、日本人ではあまり見ない字体、そのとき感じたこと…。いくつものことが本のシーンに重なり、余計内容に入り込んでいった気がします。私の文通相手はイタリアとスリランカの自分と同世代の女子でした。15年くらい続きましたが、疎遠になってからすでに20年。これを機に、また連絡を取り合えたらと思っています。
NIG
NIGさん、ありがとうございまいした。
Youtubeで検索してみると、たくさんのブックトーク、本人へのインタビューなどアップされていて、動画でも2度3度と楽しめます。あ、日本語の先生方!翻訳版も出ていますから、上級者への多読にもいいかもしれません!
ぜひ、みなさん、手に取ってみてください。
(粟野)