2月8日(土)ワークショップ「いっしょに読もう やさしいにほんご」@西東京市立中央図書館報告

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2月8日(土)午後2時から4時まで、西東京市中央図書館で日本語学習者向けワークショップ「いっしょに読もう やさしいにほんご」が開催されました。
西東京市の図書館ではすでに英語多読が始まっています。今回は、多文化サービスの一環としてぜひ日本語多読も、ということで、「レベル別日本語多読ライブラリー」「にほんご多読ブックス」を各3セットも購入し、この日に向けて準備をされてきました。

図書館に隣接する田無公民館2階、第2学習室が会場です。NPO多言語多読から理事長の粟野、理事の川本・松田がお手伝いに行きました。

開催日が近づいても申込みが増えず、当日までやきもきしましたが、市内の日本語ボランティアグループなどで開催を知った6名の方が来て下さいました。ベトナム人のエンジニアの男性、韓国人のカップル、中国人の日本語学校の男子学生、そして、女の子を連れた中国人のお母さんです。

はじめに図書館の担当の林さんから「地域の日本語を学んでいる外国人の方々に開かれた図書館にしたい」という挨拶がありました。

続いて粟野の話。「多読って聞いたことがありますか?」という質問から始まりました。ちょっと緊張している参加者の方々に「多読は、多く読むということです。たくさん日本語の本を読むことは、とっても役に立つんですよ」そして4つのルールを紹介しました。

まだ「どんなことだろう?」という顔をしている6人の前で「あいちゃん」とレベル別にほんご多読ライブラリーの良さんシリーズの「にわにわに?」をスクリーンに映写。文字なしでも「読める」ことを実感してもらいました。

机の上に並べてあった「なみ」「かさ」など、文字のない絵本を見てもらうと、出席者の皆さん、何の抵抗もなく楽しそうにページをめくってくれたので、一安心。字のない絵本を「むずかしい」と言った方もいましたが、熱心に細かく絵を見続ける方も。

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レベル0のよむよむ文庫も次々に手に取ってくれました。

小学1年生、日本生まれだという女の子は、絵のない絵本を見た後、アニメ本「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」を熱心に見ています。そのあと、「ZOOM」や「パンダ銭湯」「しろくまのパンツ」など、なんと、12冊を読破。面白ければレベル分けなんか関係ないんですね。

韓国のカップルは、レベル別にほんご多読ライブラリーの「日本の食卓」「大豆」「お正月」「これは何の数字?」など、日本人の生活を知ることができるものを選んで読んでいました。
日本人の家では自分のお茶碗やお箸が決まっていることなど、似ているようで違う文化に触れ、改めて驚く場面も。
自然に支援者に質問をしておしゃべりしながら和やかに読書の時間が過ぎていきました。

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ベトナムのエンジニアさんは、良さんシリーズの「助けて」「お正月」など、日本語学校の学生さんは「風と太陽」「木村家の毎日」などをCDの音を聞きながら読みました。

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あっという間に時間がたって、最後に4人の方に集まっていただいて簡単なブックトーク。面白かった本を紹介してもらいました。韓国人女性は「日本の食文化に関心がある」と、「日本の食卓」を紹介。男性は「怖い話が好きだから」と、レベル別日本語多読ライブラリーレベル3の「むじな・幽霊滝」を紹介。日本の昔話風の所が気に入ったそうです。
ベトナム人男性はにほんご多読ブックスの「おもしろい!日本のトイレ」を紹介。海の上のトイレが、特に印象に残ったとのことです。
中国の学生さんは、「西町交番の良さん 助けて」を選びました。「おまわりさんは、高いところは怖いけれど、木の上に乗りました。おまわりさんは親切です」と内容を説明しました。

この学生さんは、図書カードを作って、早速レベル別の多読本をどっさり借りていきました。(なんとここでは30冊も借りられるのです!)

ワークショップ終了後、図書館の林さん、村瀬さんは「温かい雰囲気のワークショップだった」「みなさんが熱心に本を読んでいる姿を初めて拝見して、感動したと、口々におっしゃいました。
終了後のアンケートでは、参加者はみなさん「楽しかった」と答えてくれました。とにかく楽しく読もうという、わたしたちの「多読」を参加者にも図書館の方にも感じていただけたのかな、と思いました。こじんまりしたグループでしたが、いい時間が静かに流れたワークショップでした。

また機会を設けていただけたら、わたしたちも嬉しいです。

(松田記)