2月14日(金)新宿区立大久保図書館で第9回「日本語多読ワークショップ」報告

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新宿区大久保図書館でのワークショップ「やさしい日本語の本を読んでみませんか?」も9回目になりました。
今回は、近隣の日本語学校の学生さんにも来ていただけるようにということで、平日に開催しました。

これまでのワークショップでは、会場の前後に、レベル別の本や一般の絵本を各レベルに分けて置いていたのですが、今回は「日本の文化」「むかし話」「こわい話」「恋の話」など、8つのジャンルに分けて置きました。

われわれ多言語多読のスタッフが本を並べ終わったころ、最初の参加者が到着。スペイン人の男性でした。続いて韓国人女性。

大久保図書館からほど近い日本語学校・友ランゲージアカデミーの学生さんが引率の先生と共に到着したところで、ちょうど開始時間の午後2時になりました。ロシア人3名とベトナム人8名の学生さんです。今日は計13名の参加です。

まず、体調不良でお休みの米田館長に代わって副館長さんからの挨拶がありました。「やさしい日本語の読みものを2時間楽しんでいって下さい」

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粟野理事長から簡単にNPO多言語多読の紹介、そして「多読は何?」という参加者への問いかけと説明がありました。その後、多読4原則の説明をしてから、スクリーンに「あいちゃん」と、レベル別にほんご多読ライブラリーのレベル0「助けて!」の文字なし版を映写して「文字なしでもお話って、わかるよね」という体験をしてもらいました。

3つのテーブルに分かれて座っている参加者に、テーブルの上の文字なし絵本を手にとってもらいました。中には、裏表紙側からページを開ける人もいて、とまどいながらの多読開始です。

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写真集「うめめ」を手に取ったベトナムの学生さんは、日頃から本嫌いだそうですが、「うめめ」は気に入った様子で、楽しそうにページを繰っていました。
ロシアの学生さんは、絵ばかりの本にすぐに飽きてしまった様子で、後ろに並べてあるレベル別の多読向け図書を取りに来ました。

午後3時になりました。 休憩。休憩時間を使って大久保図書館のカードを作りました。
3時15分から、再び多読の時間。ジャンル別に置いてある本の中から好みに合う物を選んでもらいました。

ロシア人の学生はレベル3くらいの本を選んでいました。

ベトナムの学生さんたちがどよめいたので、見に行くと、「せかいのひとびと」という絵本の中にベトナム語が書かれていて、そのベトナム語のスペルの間違いを見つけたのだそうです。とっても嬉しそうでした。日本語の間違いを指摘される毎日ですものねえ。

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3時30分から、ブックトークを始めました。今回読んだ本の中で、いちばん好きな本を選ぶことから始めます。

あのベトナムの学生さんは、もちろん「うめめ」。韓国の人は字のない絵本「Zoom」、スペインの人はにほんご多読ブックスの「老人の町」。ロシア組はにほんご多読ブックスの「ヘンゼルとグレーテル」、レベル別にほんご多読ライブラリーの「寿司・すし・SUSHI」、アニメ絵本「千と千尋の神隠し」

自分が選んだ好きな本を、各テーブルに座った人に紹介するブックトークの時間になりました。ベトナムの学生さんたちの中には、日本に来て間のない人もいたのですが、日本語でがんばりました。わたしがトークを聞いたテーブルは、ベトナムの女子学生4人がいたのですが、「2つのパン」「七夕」など、女性らしい本を選んでいました。
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最後にお気に入りの本を持って記念撮影。

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新宿多文化共生プラザの土曜日の「にほんごの本を読む会」の紹介もして、今日のワークショップが終わりました。

日本の若者と同じように外国の学生さんもあまり本を読まない傾向のようですが、これを機会に図書館に親しんでくれたら嬉しいと思いました。
そうそう、スペイン人の参加者は、早速、翌日の「にほんごの本を読む会」に彼女を誘って参加してくれました。
興味をもってくれてよかった!と思いました。多読、続けてくれますように。

(松田 記)